オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。
米の生産量の算定方法に問題があるようです。その背景に日本社会の課題が垣間見えます。
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先日の報道によると、生産量の違いの原因の一つに食用米の粒の大きさの選別基準の違いがあるようです。政府が基準としている大きさよりも、流通業者などが基準としている大きさの方が大きいそうです。その結果、食用として適したお米の量が政府の方が多く、業者などの方が少なくなっているらしいのです。
ところで業者などの基準には満たないけれど政府の基準よりも大きいお米はどうなのでしょうか?流通させても消費者は買わないのでしょうか?
粒が大きい方が上等と思われ、消費者から好まれるのは想像できます。消費者の満足度も高く、高い値段で販売することができるでしょう。しかし本来、買うか買わないかを決めるのは消費者です。政府基準で食用に適すると判断されるお米を食用として流通させず、飼料などに利用する方が良いのでしょうか?それを関連する業者が決めて良いのでしょうか?
この報道を見て他の農作物でも似たことが起こっていることが話題になっていたことを思い出しました。大きさや形などの見栄えが悪い農作物は商品として価値がないと判断され、廃棄処分にされている現実です。
農業もビジネスです。上質なものだけを選別して流通させることにより、一定以上の価格で販売できるという現実も理解できます。それと同時に、上質の物を届けたいという思いは理解できます。しかし消費者は質が劣る物は要らないと思っているのでしょうか?
この問題を考えてみると、日本特有の背景が見え隠れしています。
一つ目の問題は、過剰なお客様第一主義です。処分されて流通していない食用として問題がないけれど多少見栄えの悪い農産物は破棄されても良いと思っているのでしょうか?閉店間際のスーパーで全ての商品が揃っていることが必要なのでしょうか?その結果、売れ残って破棄される商品が大量に出ても良いのでしょうか?
もう一つの問題は、適正な価格や料金です。日本ではサービスは無料、安く提供するのは企業努力と思われています。その結果として、海外と比べて日本は商品もサービスもレベルが高い上に安いです。高いレベルを実現するためにしわ寄せがいっている先は働いている人の努力です。安さのためにしわ寄せがいっているのが働いている人の所得です。ビジネスの視点で言えば、高い価値は生んでいるのに付加価値は生んでいないのです。
日本の企業は付加価値を十分に生めていないので給与を上げることができないのです。商品やサービスのレベルに応じた価格や料金を消費者が負担することが必要です。消費者の意識を変えなくてはならないと考えています。この消費者の意識は消費者自身の収入とつながっているのです。
食料自給率が低いのは国レベルの大きな問題です。にも関わらず、農作物の廃棄は大量に行われています。流通過程や店舗だけでなく各家庭での食品ロスも大量です。このままでは食料自給率を上げるのは難しいでしょう。
商品やサービスのレベルに対して適切な料金や価格で販売できなければ、企業が付加価値を上げることができません。当然、賃上げは難しいでしょう。最終的に適切な料金や価格で商品やサービスを販売できるかどうかは消費者にかかっています。
このように、食料自給率も賃上げも消費者の意識と行動にかかっているのです。
もっと高い価格や料金を払ってもらえるならば、給料を上げたいと考えている経営者は多いです。しかし、それは簡単ではありません。最終的に高く買ってくれることがお客様の給料の上昇にもつながるのですが、それを啓蒙するのも簡単ではありません。
にもかかわらず実際に所得が上がらないと批判にさらされることが多いのが中小企業です。そして、その意思決定者として批判されるのが経営者です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。
応援しています!
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経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
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長尾洋介プロフィール
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