日本語には誤解を生みやすい言葉が多くあります。その代表的なものの一つが、分かる、です。
分かりましたか?分かりました。など、分かる、という言葉は、日常的に多く使われます。
元々の意味は、理解出来る、という感じでしょうか。しかし実際には、ただ理解出来たかどうかではない意味で使われることが多いです。
例えば、相談を受けたり、部下への指導の場面で、アドバイスを行う場合を考えてみます。アドバイスを受けた人は相手への配慮もあるので、従うかどうかと関係なく、分かりました、と答えることが多いでしょう。一方、アドバイスした人は、相手が受け入れ、アドバイスに従うと思いがちです。
また、他の人に何かを頼む場合を考えてみます。お願いされた方は、依頼に応えようと持っている時も、応えるつもりがない時も、分かりました、と答えることが多いでしょう。応えるつもりがないのに、分かりました、と答えるのは、明確に断るのは気が咎めるからです。一方、お願いした人は、聞き入れてもらい、応じてもらえると思いがちです。
理解したことと、従ったり、応じることとは別のことです。しかし、分かりました、と答えたのにアドバイスに従わなかったり、依頼に応えてくれなければ不満を感じます。日本語らしい婉曲的な表現です。しかし、結果としてどちらかが不満を感じ、人間関係に問題が起こる可能性もあります。特にビジネスに関することで、このあいまいさによる誤解は大きな問題を引き起こすことがあります。
他にも誤解を生む可能性の高い言葉や言い回しがあります。相手への思いやりの気持ちからの表現であっても、誤解を生むことは避けなくてはなりません。はっきり伝えると角が立つかもしれませんが、きちんと伝えるべきことは伝えなくてはならないのです。そしてそれが長い目で見れば、人から信用を得ることにつながります。
分かる、だけでなく、つい無意識に使っているものも少なくありません。誤解を生みやすい言葉や表現に気を付けることが大切なのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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