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同意と合意とを区別する

笑顔で握手する二人のビジネスマン

同意と合意という似た言葉があります。混同して使われていることが多いですが、明確に分けておくことが大切です。

目次

同意は理想

同意は同じ意見です。元々同じ意見を持っていることもあるでしょう。元々は意見が違っていても、説明を受けたことで意見を変え、同じ意見を持つこともあるでしょう。この二つまでが同意です。

人にはそれぞれ価値観があります。背景も環境も立場も違います。そもそも同じ意見を持つことは稀です。

ビジネスでは他人から賛同を得たり、他人の協力を得ることが必要な場面は多いです。個別に依頼したり、お願いしなくてはならないこともあります。会議などの場で提案し、承認を得なくてはならないこともあるでしょう。このような場面で同意が得られことが理想です。

合意が現実的

同意を得ることが理想ですが、多くのケースで同意は得られません。元々意見は人によって違います。現実には、元々同じ意見のことは稀です。そして、その人が持っている価値観、背景、立場から考えれば正しいのです。そのため、説明だけでは意見の違いが埋まりません。

それでは結論が出せません。そこで議論や交渉が行われます。お互いの優先順位の高いものは守りながら、優先順位の低いものを譲歩したり妥協することで、意見の一致を目指すことになります。場合によっては、何らかの取り引きが行なわれることもあるかもしれません。いずれにしても、同意ではなく、現実的に結論を出すために一致を見たものが合意です。

合意を得る場合、譲歩や妥協、取り引きでたどり着いた結論は、双方納得しているものです。しかし実際には一方が納得していなくても合意に至ることがあります。それは、影響力を行使し、圧力を使ってどちらかの意見を通した場合です。表立って強要していなくても、暗に圧力がかかり、賛同するケースは少なくありません。このような形で得た意見の一致も合意と言われます。

ビジネスでは、結論を出さなければいけないケースが多くあります。同意が理想ですが、合意を得ることが現実的なケースは少なくありません。

合意と同意とをきちんと使い分ける

現実には、同意よりも合意の方が多いものです。議論や交渉の末至った意見の一致であれば、それが合意であることを認識しやすいです。しかし現実には、一見同意に思えて合意、しかも強要に近い形で得た合意のケースは少なくありません。

ビジネスには立場の上下があり、影響力にも違いがあります。つまり力関係がはっきりしているのです。力が強いものからの依頼や提案は、もともと同意ではなくても、最初から合意しようとします。この場合、依頼したり提案した側は同意だと勘違いしてしまう可能性が高いです。

これはやむを得ないことです。しかし、かなり無理して合意することが増え、重なると、相手は無理していることが増えます。この我慢が一定のレベルを超えると不満になり、いつかは爆発するかもしれません。

意見がスムーズに通ることは、誰にとっても好ましいことです。しかし、常に意見が通ったとしても、同じ意見を持っていたと思うことは危険です。自分が上の立場にある時は特に、同意なのか合意なのかに注意することが重要です。

言葉として同意と合意が混同して使われていることはやむを得ません。使う言葉がどちらかに偏ったり、片方だけを使っていても、それは一種の癖なので構いません。ただ意見がまとまった時、それが同意なのか合意なのかは分けて認識することが大切です。これを同じと認識したままでは、長い目で見えれば、人間関係に悪影響をもたらします。同意と合意は、明確に分けて考えることが重要なのです。

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