企業が不祥事などを起こした場合、問われることが多いものがあります。それはコーポレートガバナンス、言い換えると企業統治です。これは今の時代の会社経営に求められていることの一つです。
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会社は事業を行う公器
会社は公器と言われています。ビジネスを行う民間企業、私企業であっても、公のものでもあると考えられています。
ビジネスで提供する商品やサービスは、購入者や利用者と関係があります。事業を行うことは、その会社の所在地やマーケットなどの地域と住民と関りがあります。公のものであるという認識を持たないわけにはいきません。
公のものである限りは、自らを律することが必要です。そして、社会もそれを求めています。そのため事業活動が外部に与える影響について、検証し、規律を作り、守らなくてはなりません。それがコーポレートガバナンス、企業統治です。
その対象は広いです。会社としていること、会社の業務として個々人がしていることに加えて、業務外で社員がしていることも対象になります。本来業務時間外、業務外のことは会社には関係ないはずです。それでも社会はそのように見てくれないのが現実です。
社会の公器として、会社は会社としてしていること、業務内外問わず社員がしていることにも統制を利かせることが求められているのです。
会社を統制するために必要なこと
コーポレートガバナンスのために必要なことは、守るべき規律を作ることです。守るべき規律を作り、明文化していなければ、統制は出来ません。
規律にはいくつか種類があります。
まず、大枠で方針を示すものが社是、社訓、行動規範などです。細かい部分まで書かれているわけではありませんが、行動の判断基準になるものです。
もちろん方針だけでは、判断出来ないケースも多いものです。そこで、行動規範を具体的なケースと共に詳しく解説した文書やガイドブックを作っている会社もあります。また、マニュアルと呼ばれているものに書かれている内容にも、守るべき規律や、基準に従った手順や行動が含まれています。書かれていることを守ることによって統制するという意味では、マニュアルもガバナンスのための規律を具体的に示したものと言えます。
また、規律には違反した場合の罰則も規定されているケースが多いようです。公器としての会社は、社会の評判を維持し、信用を得るには、罰則規定を設けてでも、徹底させる必要があります。
必要なのは形だけでなく実効性
規定を明文化し、罰則規定を設ければ統制出来るわけではありません。まず、明文化された規定は、会社全体に周知徹底させなくてはなりません。伝え、理解してもらわなくてはなりません。そして従うように指導しなくてはなりませんし、従っているかどうかを確認することも必要です。
そして社内全体に徹底するには、会社の決定事項、社内の指示や命令も規定に合ったものにしなくてはなりません。規定は作ることが大切なのではありません。会社の判断、活動が規定に従って行われることが重要なのです。
ここまでしないといけないのか?
ここまでしないといけないのかと思われた人もいると思います。しかし、会社の統制は避けられない時代の要請です。
万一不祥事がおこれば、規定があるかどうかを問われます。規定が適切なものであるかどうかも問われます。規定を守らせていたかどうかも問われます。全てコーポレートガバナンスに関わるものです。会社として、これらの説明責任を問われるのです。
不祥事が起きれば、社会の風当たりは強いです。対応によっては退場させられることになる可能性もあります。
一方、規律が厳し過ぎると消極的になります。社内の雰囲気もギスギスしたものになります。これは経営にとって良いことではありません。
コーポレートガバナンスと社内の活気とのバランスを取ることは難しいです。それでも取り組まなくてはならないのが企業統治、コーポレートガバナンスなのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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