意思決定するにはさまざまな情報が必要です。
ところが情報を集めることには限界があります。
目次
正しい情報を入手するのは難しい
意思決定には多く情報が必要です。
情報が多いほど、より的確な分析が出来ます。
そして分析の精度が高ければ高いほど、より良い意思決定が出来ます。
しかしデータや情報を集めるのは簡単ではありません。
まず、欲しい情報やデータが全て揃うことはありません。
入手出来ない情報やデータも少なくありません。
そもそも欲しいと思っても存在しない情報もあります。
あるのが分かっていても、持っている人が提供しない、費用が高くて手が出せないものもあるでしょう。
そして、リサーチなどをすれば手に入れることがある情報でも、時間がないこともあります。
さらに情報の真偽を確かめるのは難しいです。
つまり、入手出来たからと言って、そのまま使えるかどうかは分かりません。
情報には色がついていると言われています。
ネットの情報や口コミだけでなく、情報の多くは、正しいとは限りません。
なぜかというと、
- 情報は受け取った人が評価、解釈して受け取る
- 情報は発信する人の評価や解釈に加え、意図も込めて発信される
からです。
情報は入手するのも、入手出来たものの真偽を確かめるのも難しいのです。正しい情報は簡単には手に入らないと考える方が良いのです。
客観的に見るのは難しい
人は情報に触れた時、さまざまな考えが浮かびます。
自動的に評価したり判断します。
同じ情報を手に入れても解釈や判断に違いが出ます。
例えば、何かを採用するかどうか決定するために情報を集めているとします。
採用を考える上でプラス要素のものも、マイナス要素のものもあるはずです。
採用に前向きな人は、プラス要素を積極的に受け取り、マイナス要素は消極的に受け取ったり、情報の信ぴょう性を疑ったり、否定したりしがちです。
逆に採用に否定的な人は、逆の傾向があります。
そして意思決定には、決定したことを実行することが必要です。
そこで意思決定に当たっては、社内にあるリソース、従業員の知識やスキルや能力も判断の要素になります。
これらの評価は、主観的になりがちです。
実際よりも高く評価する傾向の人もいれば、低く評価する人もいます。
いずれにしても、情報やデータは解釈や見方によって変わるものだと意識して扱うことが重要です。
そこで、情報を入手したら、どこまでが事実で、どこからが判断や意見なのかを分類することが必要です。
それでも人にはそれぞれ見方の癖と言うべき傾向があります。
第三者の目を活用することも効果的です。
波か潮か?
ビジネスの意思決定は、今だけでなく、将来のことを見据えて行います。
そのため、環境の変化も意思決定の重要な要素です。
そこで、情報やデータに関して、もう一つ注意しなくてはならないものがあります。
過去との比較で、何がどのように変化しているかの情報は入手出来ます。
それが事実かどうかも確認出来たとします。
しかし、それを元に意思決定することはお勧め出来ません。
変化には大きく分けて2つあります。
一時的、短期的なものと、長期的なものです。
例えれば、波と潮です。
波は感じやすいものです。
大きければ印象も強く、対応しなければならないと思います。
一方潮の流れは感じることも難しいです。
流れがあることに気付くのにも時間がかかります。
見逃しやすいのが潮の流れです。
対応を考えなくてはならないのは潮の方です。
波はしばらくすると収まります。
今、対応しようとしていることが波なのか潮なのかによって、意思決定の内容の規模や範囲、投入するリソース、かけられる時間も違います。
実際に波か潮か、短期的な流行か、長期的な変化なのかを見極めるのは簡単ではありません。
しかし、一見同じに見える変化には二種類あることを意識して情報やデータを扱うことを忘れてはいけないのです。
完璧を目指さず集めて活用する
いままで見て来たように、意思決定に必要な情報を集めるのは簡単ではありません。
正しい情報を集めるのも簡単でなければ、手に入れた情報を客観的に見ることも簡単ではありません。
そして情報やデータに表れている変化が短期的なのか長期的なのかを意識して区別しなくてはなりません。
意思決定に必要な全ての情報やデータは集まりません。
集めることが出来たものも正確かどうかは分かりません。
ならば、情報やデータを集めるのは労力と時間がかかるだけで意味がないのでしょうか?
集めないとしたら、情報やデータなしで思いや勘で意思決定して良いのでしょうか?
それでも情報を集めることは大切です。
個人の意思決定ならば、その結果どうなったとしても個人の問題なので良いかもしれません。
しかし会社の意思決定は違います。
社内外の関係者を巻き込むためにも、きちんと説明出来なくてはなりません。
巻き込んだ関係者、例えば従業員の生活などを考えると、結果にも責任があります。
足りない情報もあり、入手したものが正確かどうか分からないことを当たり前と考えなくてはなりません。
情報やデータを完璧に揃えることは無理ですが、可能なものは集め、活用しなくてはなりません。
情報やデータが不足しているからと、意思決定を避けることは出来ません。
時機を失ってもいけません。
持っている情報を判断しながら行うのが意思決定なのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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