自己研鑽を積むことは自分の成長に取り組む上で大切です。しかし、そこには注意しなくてはならない落とし穴もあります。
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自己研鑽に取り組むのは素晴らしい
自分自身の成長を自ら望むならば、自己研鑽に取り組む必要があります。仕事の中で学べることは沢山あります。学ぶ機会を与えてくれる会社もあるはずです。しかも仕事の中では、ただ知るだけでなく実践の機会も与えられます。学ぶ環境として申し分ありません。
しかし、仕事の中で学べることだけでは不十分です。成長のために必要なことの全てを学び、身に付ける機会が与えられることはありません。もし、今担当している業務と違う業務や、今と違う役割を担いたいと考えているならばなおさらです。今の業務以外のことを会社で与えられる機会はほとんどありません。
仕事では十分なレベルのものを身に付けたとしても、スキルや能力にはもっと上があります。仕事の中で学ぶことが出来るレベルは、今の業務に関するレベルまでになります。
そこで自ら成長したいと思えば、自らが能動的に自己研鑽に取り組まなくてはならないのです。それでも、日々の仕事で忙しい中、自己研鑽に取り組むのは簡単ではありません。誰もが出来ることではないことだからこそ素晴らしいのです。
どう見られるかを重視する問題点
自己研鑽に取り組むことは素晴らしいことですが、問題があります。日々の仕事をこなしながら行うのが自己研鑽です。自己研鑽で取り組むことは今の業務とは直接関係ないことも多いです。
そこで、
- 職場で求められている能力を標準以上に持っている
- 業務では直接関係ないけれど別の能力を持っている
などを、他の人に知ってもらおうとする気持ちが湧いて来るのが人の性です。
そのためには、自分の能力を知ってもらうことにもエネルギーをかける必要があります。頑張っていることを知ってもらうアピール、能力が高いと認めてもらうアピールです。そして、評価して欲しい人の注目を引く行動をとったり、評価して欲しい人の視線を意識するようになります。
このように、自分の能力を知ってもらい、認めてもらうことに意識が行くと、持っているエネルギーが分散されます。自己研鑽を通して、自分が成長するために使うエネルギーが相対的に減ってしまいます。
また、能力の高さをアピールしたり、特定の人から評価を得ようとする行動は、人を不快にさせることがあります。評価して欲しい相手が上司や社内で力のある人であった場合は、周囲の人の不評を買うこともあります。結果として評価を下げてしまうこともあります。
自己研鑽に取り組む中で、他人からどう見られるかは、出来るだけ意識しないことが望ましいのです。
自己評価には他人の目を適切に使う
他人からどう見られるかを意識すると、肝心の自己研鑽のために使うエネルギーが減る上に、周囲から不評を買うことがあります。しかし、自己研鑽に他人の目も必要です。
自分のレベルは自分では分かりにくいものです。自分の頑張りと成長は必ずしも一致しません。自分が頑張った分成長している、能力が上がっていると考えたいのが人情です。しかし、それを決めるのは自分ではありません。
では、どうのように評価してもらうと良いのでしょうか?
出来れば、自分がレベルアップに取り組んでいる能力が高い人から評価してもらうことです。能力の高い人は、それを高めた経験からレベルを判断することが出来る人が多いです。何か取り組むべき課題があったり、レベルアップするヒントがもらえるかもしれません。
能力は、その能力を使うことで、より高い成果が上げらるかどうかで評価されるものです。そして、その過程や結果を見て、他人が判断するものです。使う機会があれば、それは成果で他人から評価してもらう機会だと考えることが大切です。
いずれにしても、能力の評価を自己評価に頼るのは問題が多いです。他人からの評価や判断が、評価なのです。
どうあるかの方が大切
人に評価してもらえる機会があれば良いのですが、実際には多くありません。とは言え、人にアピールすることにエネルギーを割くこともお勧め出来ません。
そこでお勧めするのは、どう見られるかよりも、どうあるか?を大切にする姿勢です。
人に知ってもらわなければ使う機会が得られず、使う機会がなければ人から評価されることもありません。しかし、必ず機会は訪れます。レベルを知るためには他人の助けを借りることは良いことです。しかし他人の目を気にせず、自己研鑽に集中することが重要なのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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