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人とコトとを分けるべき場面

一人デスクで悩んでいる様子のビジネスマン

ビジネスは人が行うものです。そして、人を相手に行うことも多いのがビジネスです。しかし人に焦点を当て過ぎることが問題を引き起こすこともあります。

ビジネスでは論理的であることが求められます。しかし、全てのビジネス活動は人が関係しています。人の考えや思い、感情を無視してはいけません。

しかし、人を中心に置くことが効果的でない場面があります。その代表的な場面は二つあります。一つ目は会議、二つ目はトラブル対応です。

本来会議は、意見やアイデアを持ち寄り、検討し、意思決定を行う場です。しかし実際には、権限のある人、立場の上の人など、影響力の強い人の意見が通ることが多いです。そこで、影響力の強い人のアイデアとは違うアイデアは出しにくくなります。影響力の強い人の意見への異論や反論は出にくくなります。時には影響力の強い人の考えを探ろうとする動きも見えます。そして、影響力の強い人の意見に近い方向に収束しがちです。

自由にアイデアを出し、忌憚なく意見を交わすことが、より良い、より適切な意思決定につながります。特にアイデアを出すプロセス、アイデアを検討するプロセスで、これらが制限されることは、良いことではありません。誰の意見かよりも、何を言ったかの方を重視しなくてはならないプロセスだからです。より良い意思決定を行うために、アイデアを出す場面では誰のアイデアか分からないように、検討の場面では反論しやすいようにしなくてはなりません。これが、一つ目の代表的な、人とコトとを分けて考えるべき場面です。

また、トラブルが発生すると、まずは事態を収拾し、原因を究明して再発防止対策を考えることになります。その時、多くの現場では責任者探しを行います。そして責任者を明らかにし、責任を取らせます。トラブルによって迷惑をかけたり、不利益を与えた外部の関係者のことを考えれば、これは必要なことです。

しかし、原因究明でも、責任者に問題があったとして結論付けてしますことが少なくありません。もちろん、個人や部署などのチームに問題があるケースもあります。それでも、実際にトラブルが起こったとすれば、管理体制や業務のシステム、ルールなどにも不備があったはずです。原因を人に限定してしまうと、これらを検証することはありません。そして、構造的に問題があっても改善されず、同じトラブルの再発を防止することは難しいのです。これが、二つ目の代表的な、人とコトとを分けて考えるべき場面です。

ビジネスではロジカルであることが大切ですが、人を無視すべきではありません。多くの現場では、もっと人を中心に考えるべきです。しかし、人を中心にすることで弊害のあるテーマもあります。会議では誰の意見かに左右されずに議論を深めることが大切です。トラブル対応では、原因を人に求めず、再発防止方法をシステムとして考えることが大切です。

実は、これら二つの代表的な場面では、ほとんどの会社が人に焦点を当てています。論理的であることを重視している組織でも同じです。人に焦点を当てる方が、ある意味楽なのかもしれません。楽かもしれませんが、人に焦点を当てることが効果的ではない場面です。コトに焦点を当てるのはかえって面倒ですが、本来の目的を考えれば必要なことです。このような場面では、あえて、人とコトとを分けることを意識して対処出来ることが大切なのです。

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