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注目の「共感」を活用するポイント(3)~効果的な対応~

 前回の続きで、今回が最終回です。

前回は、「共感」を活用する場面で、
避けるべき対応についてお伝えしました。

代表的な避けるべき対応(言葉)として、
なぜ
あなたはそう思った(感じた)のですね
良く分かります
の三つを紹介しました。

無意識に使ってしまうこれらの言葉が、
「共感」を得る上で逆効果になります。

では、これらの言葉を使わないとしたら、
どのように対応すれば良いのでしょうか?


 まず最初に「なぜ」です。

「どうして」など、言い方を変えても同じです。
これらの言葉を使わず、
相手の行動、考え、思いに至った過程を
具体的に質問していくことが効果的です。
実際には、
どのように感じましたか?
どのように、その結論に至ったのですか?
何がポイントだと思ったのですか?
などの質問です。
きちんと聞いていることをあいづちなどで伝えながら、
細かく尋ねていきます。
そうすることで、相手が、
出来事をどのように受け止めたのか
判断の背景(価値観や経験)に何があるのか
を知ることができます。
それが、相手を理解することにつながります。

次に、
あなたは、そう思った(感じた)のですね
です。
先ほどの「なぜ」の代わりに使った質問で得た情報を、
要約して復唱することが良い方法です。
出来事
その出来事をどのように受け取ったか
そのように受け取った背景は何か
その上で、どのように考えて結論に至ったか
その結論に至った背景は何か
などです。
つまり、自分が理解したことを伝えて、
自分の理解が正しいかを確認するのです。

三つ目の「良く分かります」も同じです。
人はそれぞれ、違う背景を持っています。
背景の多くは、経験から身に付きます。
考え方、大切なもの、避けたいもの、
様々なことが一人ひとり違います。
この「背景の違い」を知ることが大切なのです。
その背景の部分を理解していることを、
伝えることがポイントになります。
相手が十分に背景を話していない(と相手が思っている)段階で、
この「良く分かります」を使ってしまうことが、
問題となるのです。


「違い」を理解することは合意することでは
ありません。
ただ、「違い」を「間違い」のように、
判断するのは後回しにして、
まずは、相手を理解することに専念してください。
それが、「共感」を生む上で一番大切なことです。

3回にわたって「共感」について、
お伝えしてきました。
「共感」について書いてある本は多数あります。
それらに書いてあること違う部分もあると思います。

今回お伝えしたことは、
私自身が「共感」を使おうとして
上手くいかず、試行錯誤を繰り返して、
たどり着いた一つの経験則です。
そして、コーチングを学び始めた人から
私がコーチングを受ける立場を経験した時、
不愉快に感じたり、理解されていないと感じ、
それ以上話しても無駄、と思ってしまった時、
何が自分をそう思わせたのかを
振り返って得た教訓です。

少しでも、みなさんの周囲の人との
コミュニケーションの質の向上に
役立てば幸いです。
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