ビブラビ記事一覧

増えるステルス値上げ

書類を見ながら頭を抱えるビジネスマン

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

食料品などの値上げが続いています。この値上げを評価できますか?

食料品など生活必需品の値上げが続いています。マスコミでも、家計への負担が増えている大変さを伝えています。原材料費だけでなく光熱費、輸送費も上がっています。食品メーカーは出来るだけ値上げしないように努力しています。それでも値上げしなくてはならない状態にあるのが現実です。

ただ値上げすれば消費者が困ると考えた一部の食品メーカーは、値段を据え置いて中身を減らしています。ステルス値上げと言われる手法です。しかし、これは消費者に対して誠実な態度とは言えません。一種の騙しです。

例えば、あるお菓子を作るために500mlの牛乳が必要で牛乳パックを買ったとします。どのメーカーも牛乳パックの大きさは変わりません。ところが一つのメーカーは見た目同じ大きさの牛乳パックですが中身は450mlになっています。多少他のメーカーよりも値段は安いのですが、気が付かずに買ってしまうと牛乳が足りないことになります。その時、消費者はどのように感じるでしょうか?

この例は、私が経験者から直接聞いた話です。その人はステルス値上げを姑息な手段だと感じ、メーカーに対して不信感を持っていました。パッケージに450mlと書いてあるので、メーカーは悪くないと主張するでしょう。しかしこれは、正しい間違っているという次元の話ではありません。メーカーに対する心証に影響する問題なのです。

先ほども書いたとおり、原材料費だけでなく光熱費、輸送費も上がっています。その中でメーカーは値上げを避けるため、値上げが避けられないならば値上げ幅を最低限に抑えるために企業努力をしていると言っています。

では企業努力とは何でしょうか?

生産コスト削減に取り組んでいるでしょうが、それは以前から行なっていることで、今のエネルギー価格が上がっている状態では効果は薄いでしょう。仕入れ努力も行なっているでしょう。輸送などの取引先の協力も依頼しているでしょう。しかし、いずれも相手方企業にとっては値引き、あるいは値上げへの拒否です。結局、コスト上昇を値段に転嫁できなければ誰かが負担しなくてはなりません。メーカーだけでなく、取引先の企業も負担することになります。

収益が悪化していれば、企業には余裕がありません。将来のために投資するお金だけでなく、給料を上げる余裕もなくなります。結局、コスト上昇を値段に転嫁できなければ給料を上げることが出来ないのです。逆に言えば、十分に値上げが出来れば、賃上げも可能なのです。そのため、今の中途半端な値上げは評価できないと考えています。

確かに給与が上がる以上に値段が上がれば生活は苦しくなります。今、給料が十分に上がっているとは言えません。しかし、コスト上昇を値段に転嫁していない現状が、賃上げを難しくしているのです。

値上げと賃上げはつながっています。両方同時に上げることが理想的ですが、現実的ではないでしょう。実際には賃上げを前提とした値上げが解決策となると考えています。これを大手企業が行い、仕入先や取引先の値上げも受け入れるのです。先に中小企業や、仕入先、取引先から行うのは難しいでしょう。まずは大手企業が率先して行わなくては値上げと賃上げの連鎖は発生しません。大手こそ堂々と値上げを行い、収支が改善すれば遅延なく賃上げを行って欲しいと考えています。

そのために、中小企業から取り引きのある大手企業に働きかけることも大切です。そしてもちろん中小企業も、どうすれば値上げできるかを考え実行し、それによって改善した利益を従業員に還元しなくてはなりません。

値上げも賃上げも経営戦略の中核となる重要なテーマです。これらの重要なテーマに取り組む中心人物は経営者しかいません。本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

応援しています!

無料レポート公開中

無料レポートを公開しています。

無料レポートのダウンロードはこちらから

最新のレポートは、「リモートワークを機能させる」(2023年7月発行)です。

無料メールマガジン配信中

最新情報や会員限定の情報などをメールで無料配信しています。

登録などに関する情報はこちらから

アーカイブ

オフィスビブラビ公式Facebook

PAGE TOP