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業務を動的に考える

正面に見えているまっすぐ一直線に続く線路

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

業務の効率化は、どの会社にとっても重要です。しかし、単純にはいかないようです。

多くの会社が業務を効率的に行うことを目指しています。効率化は生産性の向上につながるので当然です。そして具体的には、そのために業務を定型化したり、マニュアル化を勧めている会社も多いようです。

業務は多くのタスク、作業にブレイクダウン出来ます。ブレイクダウンしたタスクを定型化することで、一つひとつのタスクを早く、正確に行うことが出来ます。そして、マニュアルで手順を決めることで、工程が明確になっているので、次に何をするかを考えなくても次の工程に進むことが出来ます。

マニュアル化と定型化を行なえば、業務効率が上がり、仕事の質も高い所で安定しそうです。しかし、実際に成果が出ているかと言えば、十分だと感じていない経営者が多いようです。どこに問題があるのでしょうか?

例えば工場のラインでの製造では、マニュアル化と定型化で効率も生産性も上がるでしょう。しかし、それ以外の業務は、考えたり判断しながら行うものが多いです。一つひとつのタスクはIT化や機械化で正確に早く出来るかもしれません。ところが現場では、マニュアル通りに進むケースは稀です。

多くのマニュアルは、最も頻度の高いケースや、汎用的に使える基本的なケースを元に作られています。逆に言えば、マニュアル通りに進めることが出来ないケースがあるのです。そのため、最初にしなくてはならないのは、マニュアル通りに行って良いのかどうか判断することです。そして、マニュアルとは違う形で進めるのであれば、どのように進めるかを考えなくてはなりません。場合によってはマニュアルにないタスクが発生することがあります。

これが現場のリアルです。どれだけきれいに出来ていて、分かりやすく、良く出来たマニュアルであっても、リアリティが感じられないのです。もちろん、頻度の低いケースや、汎用的な標準的なケースからの応用方法までもマニュアルにすることを試みている会社もあるでしょう。しかし、それをマニュアルに入れてしまうと、膨大な量になってしまいます。全てを理解することも、覚えることも難しいでしょう。結局、本来の標準化という目的を考えた場合、使い物にならないマニュアルになってしまいます。

ビジネスは動的なものです。ビジネスでは、常に変化に対応することが必要です。それに伴って、現場の業務も変化に対応しながら臨機応変に行わなくてはなりません。所詮マニュアルは静的なものです。もちろん基本は基本として大切です。しかし、マニュアルのように静的なものを元に業務を行うことで効率化が計れ、生産性が向上することはないのがビジネスの現場です。

定型化やマニュアル化は、業務の効率化の基礎として大切ですし、必要です。しかし、それに縛られてはいけません。何より、従業員にマニュアルに従って仕事をすれば良いと思わせてもいけません。ケースや状況に合わせ、マニュアルを基本としながら臨機応変に対応出来るように、従業員を育てなくてはならないのです。

決められていることに従う方が楽です。自分で考え、判断するのを避けたいと思う人も多いです。それでも自分で考え、判断し、実行することの積み重ねが現場力を伸ばします。しかし、経験の積み重ねが必要な現場力は一朝一夕で養われるものではありません。粘り強く、従業員に自分で考え、判断するように促し、時には命じ、時には励ますことが必要です。これを推進出来るのは経営者しかいません。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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