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賃上げの成功例?

グラフを広げて持つビジネスマンの手

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

賃上げが会社にとっても良い結果が出ている事例を紹介している報道が目立っています。本当でしょうか?

企業に賃上げを求める声が大きくなっています。政府も要請しています。そしてマスコミも賃上げの要請を好意的に報じています。その後押しだと思われますが、賃上げで良い結果や影響が出ている会社を紹介する報道も多く見かけます。

先日テレビで、以前から賃上げを行なっている飲食店を経営する会社が紹介されていました。新型コロナ以前から毎年アルバイトの時給を上げているそうです。インタビューに答えていたのは学生のアルバイトは時給が上がることで、やる気も上がり、接客という仕事を通して喜びとやりがいを感じていると話していました。そして、経営者はスタッフの定着率が上がり、接客のレベルも上がり、業績も上がり、その成果を時給を上げるという形でスタッフに還元していると話していました。

賃金を上げる

→従業員の満足度が上がる
→従業員のやる気が上がる
→従業員の仕事への取り組み姿勢が変わる
→従業員の仕事の質が変わる
→お客様の満足度が上がり、従業員もやりがいを感じる
→会社の業績が上がる
→会社にさらに賃上げする余裕が生まれる

まさに賃上げが好循環を生んでいる成功事例です。

このような好循環が生まれることは、会社にとっても良いことです。理想でしょう。しかし、賃上げを行なえば、本当にこのような好循環が生まれるのでしょうか?もちろん、従業員は喜んでくれるでしょう。やる気も上がるでしょうし、仕事の質も上がり、接客業であればお客様の満足度も上がるかもしれません。しかし、賃上げしてしばらくは良いでしょうが、これらは継続するのでしょうか?そして、従業員とお客様の満足度が上がれば、さらに賃上げする余裕が生まれるほど業績は上がるのでしょうか?

この好循環を始めるスタートポイントは二つあります。まず賃上げをする。もう一つは業績を上げるです。

先に会社が賃金を上げても、従業員の仕事に対する姿勢が変わるのか?仕事の質は変わるのか?お客様の満足度が上がれば業績が上がるのか?業績が上がれば、先に上げた賃金の分をまかなえるのか?さらに賃上げするだけの余裕が生まれるのか?このような心配が会社にはあるでしょう。

逆に従業員から見れば、今までも真面目に仕事に取り組んでいたはずです。今以上に仕事を頑張り、仕事の質を上げ、最終的に業績を上げれば賃金が上がると言われても、本当にそうなるのか疑問を持つでしょう。

会社から始める賃上げ、従業員から始める業績向上への取り組み、いずれかから始めなければ好循環は起こりません。しかし、会社も従業員も疑心暗鬼になり、どちらも始めることをちゅうちょするでしょう。

先ほど紹介されていた飲食店のアルバイトは学生でした。辞めずに働き続けていると言っても4年です。アルバイトの時給と従業員の給料では金額も違いますし、長い目で見た時の人件費も違います。好循環が起きやすい条件が、平均以上に整っていたと考えられます。ただし、環境や状況が違い、自社には自社の事情があることを理由に、賃上げしても好循環は起こらない、だから賃上げしないと決めてしまうのは短絡的です。

会社の業績を上げるには従業員の協力が不可欠です。それと同時に必要なのは、従業員の努力が業績アップ、利益アップにつながるビジネスモデルになっていることです。中小企業では、ビジネスモデル自体の見直しを推進出来るのは経営者しかいません。従業員の努力が結果として賃金上げ出来る状況につながるようになっているのか、この機会に検証してみることをお勧めします。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

応援しています!

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