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合っているか確認されても分からない

デスクで書類を見て困った様子の人

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

多くのサービス業で人の手を介さないシステムが導入されています。しかし、客目線では問題も少なくありません。

飲食業含むサービス業では、多くの業務が人の手で行われます。それにもかかわらず、採用が難しく、定着率も高くなく、人手不足が問題となっています。その上、新型コロナの流行です。感染拡大防止の観点から、人と人との接触を減らすことも必要になっています。この二つの要因が重なり、人の手を介さないシステムの導入が進んでいるようです。

ある回転寿司チェーンに行った時のことで不満を口にしていた知人がいました。

回転寿司は手軽に、リーズナブルな値段で食べられ、人気があります。当初は100円の皿しかありませんでしたが、メニューのバリエーションが増え、値段の違うお皿があります。食べたお皿を積んでいれば、いくらのお皿が何枚あるか分かります。ところが、知人が行ったお店では、食べ終わったお皿を返却口のような所に入れるシステムだったそうです。以前は、値段の高いお皿は返却口に入れられなかったそうですが、今は全てのお皿が返却口に入れられるように変わっていたそうです。

食べ終わり、清算のために店員を呼ぶと、席に設置してあるタブレットをタップしたそうです。すると、画面に値段Aのお皿が何枚、値段Bのお皿が何枚、値段Cのお皿が何枚と表示されたそうです。「これで合っていますか?」と尋ねられたそうですが、全部で何皿食べたかも覚えていなかったそうです。ましてや、それぞれの値段ごとに何皿食べたかなどは、もっと分からなかったそうです。ですので、合っているかどうか確認されても、答えられなかったそうです。システムで数えているようなので、信用するしかないと思い、「合っています」と答えたそうです。

人が数えることもないのでミスもなく、人と人との接触も減るのかもしれません。しかし、どの値段のお皿を何枚食べたのか確認されても答えることは出来ません。覚えるか、メモしておかなくてはならないのでしょうか?合理的かもしれませんが、不満や不安を感じるお客様もいるでしょう。人によっては不信感を持つかもしれません。

先日のブログでセルフレジを取り上げました。今でも時々、セルフレジの操作に困っているお客様を見かけます。飲食店では、テーブルに設置されたタブレットで注文するシステムを導入しているところもあります。知人の高齢者が言っていました。「老人は買い物も出来ないし、飲食店で注文も出来ない。来てくれなくていいってことなのかな」、と。

ITを活用することは良いことです。それによって業務が効率化され、生産性が上がるでしょう。しかし、客目線で問題があれば、それは良いシステムとは言えません。不満を感じたり、不信感を持つお客様が多ければ、お客様は離れていきます。これらのシステムを導入する時、業務が効率化出来るかどうかはともかく、お客様にとってどうなのかについてリアリティが感じられる想定が出来ていたのでしょうか?

物事を判断するにはクリティカルに考えなくてはなりません。そしてリアリティが感じられるかどうか考えなくてはなりません。全ての視点で検討し、最終的には総合的に判断しなくてはなりません。これらを漏れなく行うことが重要なのです。そして、漏れなく実行するように指示を出し、実行しているか確認しするのは、最終的には経営者の役割です。どれかが漏れれば、ビジネスに支障が出る可能性があるからです。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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