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経済安全保障は国だけの問題?

森の中の道

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

昨今の情勢から経済安全保障が議論されています。これは会社経営にも共通点があります。

ビジネスでは、より安く仕入れることは重要です。そこで、世界で最も安く仕入れる所から仕入れることが良いこととされて来ました。そして、自国で生産するよりも、より安く調達出来る国があれば、自国での生産を縮小しました。その結果、多くの物を海外からの輸入に頼る状態になっています。これは日本だけでなく、他の国も同じです。

ところが、新型コロナウイルスが世界にまん延した時、日本ではマスクの入手が困難になりました。過去に起こった問題に原因がありますが、ワクチンや薬は国内で開発する能力は弱く、海外の製薬会社頼みとなっています。また、半導体など海外からの仕入れに頼っていた部品や材料が入って来ないため、国内の生産もストップする事態となりました。理由はさまざまですが、国内で調達出来ないものや、十分な生産が出来ないものが増えているのです。

今回、ウクライナ問題もあり、食物やエネルギーの問題も改めて注目が集まっています。これらの問題は、今に始まったことではなく、以前から問題とされていたのに放置されていたことです。特にエネルギーの問題は、太平洋戦争に踏み切った理由の一つが日本の原油の調達が止められたことと言われています。重要な物を輸入に頼ることのリスクは、以前から認識されていたはずです。

しかし、安く仕入れられるのに、国内での生産や調達する能力を維持するために、安く手に入れられることが分かっているものを国内で調達出来る高い値段の物を買えばどうなるでしょう?物価は上がるでしょう。日本経済を支えている輸出の競争力も弱くなるでしょう。

現実的な選択肢は二つです。

  • 今手に入るのであれば安い物を買い、手に入らなくなった時の苦しさを受け入れる
  • 安心のために、安く手に入るものがあると知った上で、高い物を買う

このいずれしかないのです。

実は、もう一つ選択肢があります。

  • 悪いことは起こる可能性は低いと無視する

という選択肢です。人は誰でも、同じ物やサービスならば安く手に入れたいものです。面倒なことは避けて、楽をしたいものです。しかし、新型コロナウイルスとウクライナ問題が、現実は甘くないことを突き付けてきました。

これは会社のリスク対策も同じです。環境の変化、取引先の影響などのリスクに備えることの必要性は分かっているはずです。社内の規律の管理が甘ければリスクが高いことも分かっているはずです。

しかし、リスク対策は不要ではありませんが不急なものです。リスクに備えることはコストがかかります。社内の時間や手間など業務面での負担も小さくありません。するかしないかを先送りしたくなります。

では、悪いことは起こらないと放置しますか?

リスクへの対処をどうするかを考え、決め、社内に実行させるのは経営者しかいません。本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。応援しています!

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