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仕組みやルールの限界

建築現場で相談する3人の作業員

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

会社のような組織では、ルールや仕組みを整えることは大切です。しかし、それだけで組織がきちんと動くわけではありません。

中小企業では組織図はあっても、業務分掌や業務手順などが明文化されていない会社が多くあります。役割分担も業務の進め方も暗黙の了解です。それでも業務は滞りなく進んでいることも多いです。

しかし、何か問題が起こることもあります。また、法的な規制や労務管理の観点から、さまざまな制約がかかったり、順守しなくてはならないことが新たに発生することも多いです。これらに対応するためには、仕組みやルールを変えたり、新たに作らなくてはならないケースもあります。

今までとやり方を変えるのは簡単ではありません。しかも徹底させなくてはならないのです。

これまでも、さまざまな変化に対応するために、仕組みややり方を変えてきたはずです。口頭で伝え、時々確認し、出来ていなければ注意したりしながら変えてきたものも多いはずです。時間をかければ定着していくものです。

しかし、やり方を大きく変更しなくてはならず、しかも一定の時期から確実に変えなくてはならない場合は、それでは不十分です。そこで、徹底するために、仕組みやルールを作ることを考える会社もあるでしょう。

ところが、新しい仕組みやルールを作っても、なかなか現場は決めた通りには動かないものです。そもそもやり方を変えるのは簡単ではありません。その上、現場で実行しながら対応し、覚えることに慣れているので、明文化されたものに従うこと自体がハードルが高いことも多いです。

さらに現場は業務を進めなくてはなりません。期限内に決められた量、一定レベル以上の質の成果を出さなくてはなりません。やり方を変えた中で、求められる成果を出すのは簡単ではありません。

仕組みやルールなど、形は大切です。しかし、仕組みやルールをきちんと作っただけで人は動きません。説明し、理解させただけでも不十分です。少なくとも、今までと同様、あるいは変更によって期待している今までよりも良い結果が出ることはありません。

仕組みやルールも使いこなせることが重要です。知っている、理解している、分かっているだけでは十分ではありません。使い方まで教えるか、共に使ってみながら考えることも必要です。そして新しい仕組みやルールで、きちんと業務がこなせる、一種の成功体験を与えなくてはなりません。そして慣れて定着するまで見守り、時には相談に乗り、時には注意や指導しなくてはなりません。

元々明文化した仕組みやルールを持っていない会社ほど、仕組みやルールを作れば現場はそれに従って業務をするものと期待する傾向が高いです。しかし現実は、元々明文化していない会社の方が、仕組みやルールを現場に実行させ、定着させるためにしなくてはならないことが多いです。そして、それを推進するために中心的な役割を果たさなくてはならないのは経営者です。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。応援しています!

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