前回の続きです。
前回は、「共感」を理解していただくために、
ケースの中で、受け止め方のパターンを通して、
「共感」の定義についてお伝えしました。
今回は、その対応のスキルについてお伝えします。
いくら共感的に相手の話を受け止めたとしても、
対応の仕方を間違うと、
相手が共感してもらっていない
と感じてしまうことがあります。
「共感」を活用する上で効果的なのは、
「傾聴」のスキルです。
ペーシング
おうむ返し
要約と確認
あいづち
質問
などが代表的です。
これだけで、一冊の本が書けるほどの内容です。
今回は、実際に活用する上で注意しなくてはならないことを
取り上げます。
前回にもお伝えした通り、
「共感」とは
相手のことを理解していること
そして
理解していることを「相手」が感じていること
によって成り立ちます。
そして、対処が一番難しいのが、
相手の話に同意できない場合です。
しかし、聞く側が
同意していない
批判的である
と相手が感じると、「共感」状態は崩れ、
相手は、本音を話すのを止めてしまいます。
聞いている方が意識していなくて、
つい使っている普通の言葉で、
そのような印象を与えてしまうケースを取り上げます。
まず、「なぜ」です。
なぜ? 何で? どうして?
は、相手の話の背景や、相手がした判断の理由を
知るために普通に使う言葉です。
ところが、この言葉は、特に日本語では、
非難し、とがめる
ニュアンスが伝わってしまうことが多くあります。
どんなに優しい口調で話しても同じです。
次は、
あなたは、そう思ったのですね
あなたは、そう感じたのですね
などです。
「あなたは」が付いていることによって、
聞いている側は同意出来ない
あるいは、
聞いている側は、そうは思わない
という、ニュアンスが伝わってしまいます。
「あなた」を付けなくても、
相手が、他の人は理解してくれない
と悲観的になっている場合は、
同じように伝わることがあります。
三つ目は、「傾聴」と「共感」を
意識して使い始めた時に
使う言葉です。
「良く分かります」
です。
十分に核心の部分を話す前
に、この言葉を使うと
あなたに何が分かるのか
と反発を招いたりすることがあります。
特に話している側が、聞いている側との間に
状況や背景や環境や立場に違いがあると思っている場合は、
注意が必要です。
今回は、「傾聴」を行っている時に、
意識しないでしている対応や反応で、
「共感」を崩してしまうケースをお伝えしました。
これも、前回の受け止め方と同様に、
意識しないと出来るようにならないことです。
しかし、上の言葉を使わない、としたら、
どうすれば
良いのでしょうか?
良いのでしょうか?
それは、次回、お伝えします。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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