会社として意思決定したものは、課題として現場に指示し、検討させたり実行させます。その際、背景や目的、目標などについても伝えることが多いです。しかし、それだけでは不十分です。
目次
期限を決める
まず、期限が明確になっていないことは少なくありません。期限には検討期限、実行期限、成果や結果を出す期限があります。そのいずれもが明確に示されないケースもあります。
経営陣から与えられる課題は、通常業務に加えて取り組まなくてはなりません。期限が決められていなければ、後回しにされがちです。
しかし、そもそも現場に下ろした経営陣が期限について考えていないケースも多いです。本来期限がある課題であれば、明確に決めなくてはなりません。期限を切られることで現場は緊張感を持ちます。また、経営陣の意思の本気度も伝わります。
もしかしたら、その内、あるいは近い内に取り組みたいと思っている程度の課題かもしれません。そのような重要度の課題であれば、現場に下さない方が良いです。そのような課題を頻繁に下ろしていると、本当に重要な課題や、緊急の課題を下ろした時、現場に重要度が伝わりにくくなります。
現場に下ろす前に期限について考え、決めることが大切です。
使えるリソースを決める
課題に取り組むにはリソースが必要です。必要な経費もありますし、内容によっては投資も必要かもしれません。一定の数の人手も必要でしょう。人で言えば数だけでなく、必要な知識や経験を持っている特定の人を使って良いかどうかも重要です。
どのような課題でも、会社が持っているリソースの全てを使って良いわけではありません。通常業務もありますし、他にも取り組んでいる課題があるかもしれません。会社の経費全てを使うことが出来ないのは当然です。人についても同じです。現実には、使える人数や特定の人だけでなく、その課題に使って良い時間も無制限ではありません。
達成基準を決める
課題の詳細の中で、しばしば明確でないものの一つが達成基準です。目的があり、目標があるのですが、その基準があいまいなケースが少なくありません。改善、向上、増加、減少などと示されているだけでは、評価出来ません。
動き始め、成果の見込みが見えてから、基準が示されることも少なくありません。途中で基準が示される場合、多くの場合、見込めている成果よりも高い基準になることが多いです。その時、現場はどのように感じるでしょうか?思いの外良い成果が出そうだからと、ハードルを上げたと感じるかもしれません。必要なレベルに達していないため不満だと感じるかもしれません。
いずれにしても現場からすれば、先に言ってよ、と思います。つまり、現場の不評を買います。課題に取り組んだ成果の評価を公正に行い、関係者全員が評価に納得するには、事前に達成基準が明確となっていることが必要なのです。
避けることを決める
組織やビジネスは多くの要素が組み合わさり、関連しています。そのため、課題に取り組み、何かを行えば、それに伴いさまざまな変化が起こります。起こる変化の中には、会社として許容出来るものもあれば、出来ないものもあります。
課題に取り組んでいる中、会社として望ましくない影響が出て、それが許容範囲を超えることがあります。その場合、取り組みが中止されたり、やり直しが命じられる事態になることもあります。それまで取り組んで来たことは無駄になります。取り組んでいた現場の社員は、それまでの努力や労力が無駄になったと感じるでしょう。
このような事態は、避けられるものです。課題によって、影響が出る可能性があるものは概ね想定出来ます。そこで大切なのは、どのような影響を避けなくてはならないかも事前に明示しておくことです。
課題の詳細が曖昧だと混乱する
取り組むべき課題を見つけ、取り組むことは良いことです。しかし、課題として現場に下ろす場合、背景や目的、目標だけでは不十分です。その他にも事前に検討し、決めておくべきものが多くあります。
決めておくべき課題の詳細が不足していたり、あいまいな場合、現場は混乱します。進めるために上に確認しなくてはならないことが多く、その回答が出るまで作業は止まります。確認せずに進めれば、止められたり、やり直しを命じられることも出て来ます。このようなことが起こると、現場のモチベーションは下がります。
現場に下ろしたら、報告は求めても、出来るだけ現場に任せる方が良いです。そして、現場が集中して取り組めるように、そして徒労を感じさせることがないようにしなくてはなりません。そのためには課題を下ろす側が事前に必要な詳細を検討し、決め、現場に伝えることが重要なのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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