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【新型コロナウイルスの国の対応の問題点】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
新型コロナウイルスの国の対応に疑問の声が多く聞かれます。
どこに問題があるのでしょうか?


新型コロナウイルスの感染が再び拡大しています。
その兆候が見られる中、GoToトラベルキャンペーンが前倒しで始まりました。
旅行需要の落ち込みの影響を受けるのは、旅行会社だけはありません。
交通機関、宿泊施設、そして各地の飲食店や物販店舗、さらにそれらに食材やお土産となる地元産品を作っている人にまで及びます。
つまり旅行の促進は、各地方の地元の多くの産業にとって価値のあるものです。
地方の経済を支える対策として、有効だと言えます。
新型コロナウイルスを感染させる要因には主に3つあると言われています。
最も大きな要因は、飛沫だと言われています。
日常の多くの場面では、マスクを着けることによって飛沫を減らすことが出来ます。
2番目の要因として言われる接触は、手洗いやアルコールなどによる手指消毒を励行することで防げるそうです。
3番目の要因として密室による飛沫が滞留する状況は、換気によって軽減することが出来るそうです。
このことが正しいならば、移動に問題があるわけではありません。
人が移動することで新型コロナウイルスは拡散すると言われています。
ウイルスは自ら広がるのではなく、移動することによって人が広めることは間違いありません。
ウイルスの感染拡大を抑制するには、人の移動を制限することが効果的です。
しかし、移動自体で感染が広がることはありません。
問題なのは、飲食を共にすることです。
マスクをしたままでは、食べることも飲むことも出来ません。
旅行だけでなく、久しぶりに会う人との会食、大勢での会食では、楽しい気分も加わって、大きな声で話すでしょう。
これが感染を広めるようです。
感染の拡大を止めるには、人と一緒に飲食しないことが最も効果的なのです。
ところが、飲食業の営業を止めてしまうと、経済に大きな影響が出ます。
緊急事態宣言で相当傷んでいる上に、さらなる規制をかければ壊滅的な被害が出ることは当然です。
旅行の促進も同様です。
感染拡大防止の立場で考えると、旅行の促進は不適切ですし、飲食業の営業自粛が望ましいことです。
一方、経済を支える立場で考えると、旅行は促進することが望ましく、飲食業の営業自粛には反対でしょう。
どちらが正しいのでしょうか?
立場違えば優先順位が違います。
優先順位が違えば意見が違います。
つまり、どちらも正しいのです。
それでも、誰かが決めなくてはなりません。
いずれかを選ばなくてはならないこともあるでしょう。
条件をつけた上で、両方を組み合わせることもあるでしょう。
しかし、一番良くないのは、中途半端で、あいまいな決断をすることです。
これが、今のコロナ対策に言えることで、一番の問題点です。
このような難しい決断をするのは、コロナ対策であれば国や地方自治体です。
会社の意思決定であれば、経営者です。
正しいことが複数あることを理解した上で、覚悟を持って選択し、意思決定を行っているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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