人が集まったものが集団です。集団のタイプはさまざまです。機能するかどうかの視点で見た場合、集団にはどのような特徴があるのでしょうか?
目次
ビジネスは複数の集団が絡み合って運営されている
集団という言葉はイメージしにくいかもしれませんが、一つの会社に関連する集団は数多くあります。
- 会社全体
- 経営陣
- 部署
- 部署を横断したチーム
- 外部専門家を加えたプロジェクトチーム
など、何らかの共通の役割や目的を持つ集団が多くあります。
一人の人が複数の集団に含まれているため、人を基準に見ると構造は複雑です。しかし、これら多くの集団がそれぞれの役割を担うことで会社が成り立ち、ビジネスを動かしています。ビジネスは、もっと単純に出来れば良いのですが、複数の集団が絡み合った形で運営されるのが現実です。
集団のタイプを決める要素
まず、ビジネスを離れて、集団自体を見てみると、一口に集団と言っても、さまざまなタイプがあります。そして、タイプを決める要素も多くあります。
- 参加資格
- 参加と脱退の自由度
- メンバーへの規律の強制力
- 共通の目的の有無
- 集団メンバー間の緊密度
- 集団内のメンバーとの信頼関係
などです。
例えば、町内会などの地域のコミュニティでは、その地域に住んでいれば参加資格があります。しかし、脱退の自由度はほとんどないですが、規律の強制力は弱いでしょう。共通の目的も少なく、知っているメンバーはご近所程度で、信頼関係のあるメンバーは少ないでしょう。
学校のクラスはどうでしょう。強制的にメンバーは決められる上に、勝手に抜けるわけにはいきません。特に共通の目的があって集まっているわけではありませんが、メンバーのことは知っていて、規律の強制力は強いです。
スポーツのチームはどうでしょうか?趣味のサークルと部活、プロによって違います。共通の目的があって、脱退の自由があるのは共通しています。しかしプロは自由に自分の意志で参加出来るわけではありません。また、目的意識の強さや規律への強制力には違いがあります。プロが一番強く、部活、サークルの順に弱くなります。
いくつかの例を見てきて分かる通り、一口に集団と言っても、さまざまなタイプがあります。集団のタイプに良し悪しはありません。それぞれが持っている役割に適した特徴を持っているかどうかが重要なのです。
ビジネスに適した集団のタイプ
集団のタイプを決める要素の中で、ビジネスで機能する集団という視点で見ると、どうでしょうか?
強弱はともかくとして、
- 共通の目的
- 規律への強制力
は必須です。そして、強い方が望ましいのが、
- メンバー間の緊密度
- メンバー間の信頼関係
です。
これらの特徴を持っているのは、どのタイプでしょうか?
それはスポーツチームです。さらに上の四つの要素は強い方が良いです。スポーツチームのなかでもサークルよりも、部活、部活よりもプロのチームの方が強いでしょう。つまりプロのスポーツチームがビジネスでは望ましい特徴を備えていると言えます。
ビジネスで機能する集団のタイプは一つではない
プロのスポーツチームがビジネスの集団には望ましいと言っても、競技によって特徴があります。そして、ビジネスの集団にも、その役割によって要素の重要度は違います。
一般的には、ビジネスでは全体が連動、連携し、変化に対応しながら目的を目指します。競技で言えば、サッカー、ラグビー、バスケットボールなどがふさわしいでしょう。しかし、業界や業態によっては個人が単独で行うことが多く、野球がふさわしい集団もあるでしょう。
会社全体では機能するのが難しいタイプでも、部門や役割によっては機能するタイプもあります。テニスや卓球、バドミントンのダブルスも、部署やプロジェクトの内容によっては機能するでしょう。格闘技や体操競技の団体、駅伝などは個々の対戦が中心で、基本は個人競技です。しかし、営業部門では機能するタイプの一つです。また、経営陣や事務部門、製造部門、プロジェクトチームでも機能する可能性があります。
機能する手段の要素に合わせて条件を整える
会社全体も一つの集団ですが、会社の中には多くの集団があります。会社の特徴、部門の特徴によって、機能するタイプはさまざまです。しかし、それぞれのタイプによって必要な要素と強弱が違います。またどのような指向性の従業員が、どのような構成でいるかも考慮に入れなくてはなりません。
これらのことを総合的に考えて、それぞれの集団のタイプを選ぶことが大切です。そしてそれぞれの集団がが機能するように、条件を整えることが必要です。
もちろん、これは理想です。現実的には難しいかもしれません。しかし、会社を全体として機能させることは大切です。そのために何が出来るかを考える上で、プロのスポーツチームが備えている要素は参考になります。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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