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戦略改善のために実行状況を評価する

建築現場で相談する3人の作業員

戦略や戦術だけでなく会社の方針も、一度決めたらそのままで良いわけではありません。実行しながら改善し続けなくてはなりません。そして、改善のためにはさまざまな情報が必要です。

目次

戦略の改善には情報が必要

戦略などを変更したり、改善する場合には情報が必要です。そこで多くの会社では、さまざまな情報を集め、分析しています。

集めている情報は経済動向、業界情報など多岐にわたります。そして情報は報道されているものだけでなく、同業者や異業種の知人、取引先やお客様などの経路からも入手していると思います。現場から、同業者やお客様の動向についての情報を吸い上げている会社もあるでしょう。

当然、社内の情報も集めているはずです。その中心は、売り上げなどの経営のさまざまな数値データです。数値データは重要ですが、分かるのは結果です。

しかし、改善を考えるには結果だけでは不十分です。現場の実行状況を知る必要があります。なぜなら実行状況によって結果が変わるからです。

戦略の改善に重要な実行状況情報

会社の方向性も戦略も戦術も、最終的に実行しているのは現場のチームや社員です。そして具体的に指示し、実行させているのは現場の管理職です。実行状況について情報を集める仕組みを持っている会社もありますし、管理職に報告を求れば情報は集まるでしょう。実際に集めている情報は、実行件数、所要時間、成果などが多いようです。

しかし、これらの情報で、今の戦略や戦術の良し悪し、改善の必要があるかどうか、どのように改善すれば良いかが分かるでしょうか?

実行したかどうかだけで判断は出来ません。同じ戦略、戦術を実行したとしても、実行の質によって成果は大きく変わるからです。成果に影響する実行の質の要素は多くあります。代表的なものは、

  • プロセスの順守
  • 基本通りに実行する丁寧さ
  • 実行時の集中力
  • 成果への意欲
  • 実行者の能力やスキル

などです。

これらの情報を分析することなく、戦略の良し悪しを判断することは出来ません。しかし、これらの情報を正確に集めるのは簡単ではありません。

そもそも現場に情報を求めても、忙しい中なので、情報収集の優先順位は高くありません。さらに、指示されたことをしていないのは良くないことだと分かっているので、問題にされないような内容にしようとする傾向があります。求められている数のデータがなければ、多少雑であっても無理やり短期間に詰め込んで実行することもあるでしょう。嘘とまでは言いませんが、多少は実際よりも良い内容にするかもしれません。

それでも、実行状況の情報収集の大切さは変わりません。そして、これらの情報がなければ、適切に戦略や戦術を改善の判断は出来ないことを理解しておかなくてはなりません。

実行状況を評価して戦略改善を検討する

戦略も戦術も、ミッションやビジョンの実現という目的のためにあります。現場に下ろしている具体的な対策や指示も最終的には同じ目的のためにあります。そのために必要な成果や結果が出ていなければ、どこかを見直さなくてはなりません。

戦略や戦術を見直すことが望ましいこともあります。しかし、戦略レベルの変更は、お客様や取引先などは不安を感じるでしょうし、不信感を持つ可能性もあります。社内は混乱するでしょう。戦略や戦術を頻繁に見直すことは良いことではありません。

実際には、必要な成果や結果が出ていない場合、戦略や戦術に問題があるのではなく、実行に問題があるケースの方が多いものです。実行に問題が起こる原因が、現場のチームや社員にある場合もありますが、そうではないケースも多いです。経営者や幹部管理職には耳の痛い話かもしれませんが、現場への指示の内容や、方法に原因があるケースも多いです。

戦略や戦術を変えることは大変なことです。全く変えないとしても改善は必要なケースは少なくありません。戦略も戦術も、意思決定によって決まる決定事項ですが、仮説でしかありません。実行して成果を見て、改善しなくてはなりません。言い換えるとPDCAサイクルを回し続けなくてはならないのです。

PDCAサイクルを回す中で、何を変えるのか、どのように変えるのかを考えるための材料として現場の実行状況の情報が必要です。成果や結果を決める要因の中で実行状況の影響は大きいです。そのため、戦略を見直す上で、現場の実行状況の評価は重要なのです。

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