ニュースなどマスコミの報道、ソーシャルメディアの投稿、そして人から聞く話など、私たちは多くの情報を受け取っています。その際に注意しなくてはならないことがあります。情報の内容を全て事実だと受け取ってはいけません。
目次
情報に含まれているのは事実だけはない
情報はそもそも事実ではありません。事実を元にしていても、
- 考え方によって取捨選択され
- 表現を選んで
伝えられるものです。そこで事実以外に、意見、評価、判断などが含まれています。
ところが現実には、見たり聞いたりした話を伝えているだけだと思っている人も多いです。本人は、意見も評価も判断を加えている自覚がありません。このように自覚はなくても、事実以外のものが混ぜこぜに伝えている人が多くいます。実際、事実とそれ以外のことを区別して伝える人は少ないです。
伝えている人が、どう思っているかに関係なく、情報には事実以外のものが含まれています。そのことを前提に情報を受け取ることが大切です。
情報には伝える人の意図が入っている
事実とそれ以外のことを混ぜこぜに伝える人が多いですが、中には意識して意図をもって、事実以外のことを伝える人もいます。
人を騙す意図で伝える人もいます。もちろん、そのような人はほとんどいません。
一方、次のような場合、誰もが事実以外のことを意図を持って伝えます。
- 自分の意見や判断、評価を知ってもらいたい時
- 自分の意見に賛成してもらいたい時
- 自分のために何かして欲しいことあある時
これは、時と場合によって、誰もが行っていることです。
そして、意識していなくても、情報を伝える時には意図が入ります。自分の意見や判断を表現の中にやんわりと加えていることが多くあります。これは、そのことを通して、自分のこと理解してもらいたい、承認して欲しいという無意識の欲求です。また一般的に人は、自分に対して持って欲しいイメージを持ってもらうことを意識して、話題、事実、表現方法を選ぶものです。これも情報を伝える時に含まれていることの多い無意識な意図の一つです。
いずれにしても、情報には本人の意見や判断、評価が含まれています。そして強弱、意識的か無意識かは別にして、必ず何らかの意図があるものです。
情報を受け取る時も無意識にしていることがある
人が情報を伝える時、無意識の内に意見や判断などが入ってしまうのには理由があります。それは、人は受け取った情報を解釈付きで記憶するからです。
受け取る情報自体にも、発信する人の意見や判断などが含まれています。それを認識しているかどうかは別にして、人は情報を得ると同時に、自分なりの評価や判断を下します。そして、事実と自分の解釈とをセットにして記憶します。
人によって解釈が違うのですから、人の記憶にあるものは人によって違います。しかし自分の頭の記憶にあるものは、その人にとっては事実と同じです。当然、その情報を他の人に伝える時には、自分の解釈付きの事実を元に伝えることになります。これが結果として、無意識の内に解釈付きの事実を伝えることになるのです。
論理思考に大切なクリティカルであるために意識して区別する
事実と真実という言葉を比べると、真実の方が絶対的であるように見えます。しかし、実際は事実は一つしかありませんが、真実はは人の数だけあります。事実を判断、評価し、意見を加えて解釈したものが真実なのです。
自分の認識では、真実は事実です。このことがコミュニケーションにおいて問題を起こすことが少なくありません。もちろん、論理的に考える時もフィルタをかけ、特定の見方に偏らせてしまいます。
事実と意見や判断、評価を分けて考えることはクリティカルシンキングの重要な要素の一つです。そのことは、論理思考の質を高めると共に、議論の場や、他人を理解し、関係を構築する場面でも役に立ちます。情報に触れた時にはもちろん、自分から情報を伝える時も、それが純粋な事実なのか、解釈が入ったものかを区別することを意識することが重要です。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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