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真の原因を突き止める

黒板を見てじっくり考える男性

意思決定する上で大切なことは現状を把握することです。特に問題の再発を防ぐには原因を突き止めることが大切ですが、簡単ではありません。

目次

真の原因は見えにくい

問題が起これば、原因を突き止め、対策を講じなくてはなりません。問題は起こるものです。大切なことは、起こった問題に対処することと、同じ問題を再度起こさないようにすることです。

問題の再発を防ぐために、最初にすることは原因を突き止めることです。そして対策を講じても、同じ問題が再発したり、同じ原因で別の問題が起こるケースが多いです。

これは、真の原因が特定出来ていないことが理由です。実際、真の原因を突き止めるのは簡単ではありません。

真の原因に見えてしまうもの

問題は、特定の部門、部署、チームで起こります。問題の原因を究明しようとすると、最初に目に留まるのは、問題が起こっている場所です。

その部門や部署、チーム、あるいは担当している社員が問題の起点となっていることが分かります。そこで起点となっているところの業務のやり方、スキル、業務遂行などに注目します。当然、問題が起こっているのですから、何らかの課題が見つかります。

問題を起こした責任は、問題を起こしたチームや個人にあるかもしれません。しかし、問題の発生個所と原因が同じとは限りません。問題が起こっている所や近くに原因があるとは限りません。

問題の発生個所は、最も目につきやすいです。しかし分かりやすく、見えやすいものが正しいとは限りません。目についたものに飛びついてはいけません。目につきやすいものを真の原因と思いこまないことが、真の原因を突き止める上の注意事項の一つです。

原因を知るための情報は手に入れにくい

目に留まりやすいものに惑わされず、真の原因を突き止めるには、調査し、情報を集め、分析しなくてはなりません。調査し、情報を集める時、多くの場合、問題の発生個所の社員など、関わった人からの聞き取りが行われます。

しかし、聞き取りを行っても、全てを正直に答えるとは限りません。通常、問題を起こせば責任が問われます。誰でも責任を負いたくありませんし、少なくとも責任を軽くしたいと考えます。そこで、自分に出来るだけ責任がかからないように、嘘を言うかもしれません。嘘ではなくても、事実の一部を隠したり、ニュアンスを変えたりしがちです。これは自分を守るために行う、自然な行動です。

また、聞き取る方も、最初から特定のチームや個人に責任があるという思い込みを持っていることも少なくありません。そして現実的には責任者を特定する方が、問題の構造はシンプルです。原因を人に特定出来れば、その人を変えるなど、対処もシンプルです。問題が起こった部門の管理者や担当している個人に原因があると思って聞き取りを行えば、本人の言っていることの多くが責任逃れの言い訳に聞こえるものです。この思い込みに基づいた聞き取りも、真の原因を突き止めるために必要な情報を集める上で障害となるケースが多いです。

この二つで共通している前提があります。それは責任と原因を同じものと扱っていることです。原因となった人やチームが、問題の責任者として扱われることです。責任が誰にあったのかと、何が原因だったのかとは、本来は別のものです。再発防止のために必要なのは真の原因です。責任者の特定と原因の究明とを分けることが重要です。

思い込まない、諦めない

見えやすい、気付きやすいものが真の原因とは限りません。それでも、真の原因だと思い込んでしまいやすいです。

会社組織では、何か問題が起これば、誰かが責任者として責任を取らなくてはならないケースもあります。少なくとも管理者は監督責任があるでしょうし、担当している個人にも責任があるでしょう。ところが原因を探っているのに、いつの間にか責任者探しをしてしまい、チームや個人など、人を原因だと思い込んでしまうことも少なくありません。

真の原因を突き止めるには、まず、これらの思い込みが起こりやすいことを知ることです。そして、思い込みでないかを問い続けることです。これはクリティカルシンキングが役に立ちます。そして、安易に原因を人に帰属させず、真の原因が分かるまで諦めないことが大切なのです。

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