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えべっさんで神頼み

畑仕事をもくもくとしている人

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

先週は十日戎でした。えべっさんは関西の商売人の年明けの恒例行事です。

関西では1月10日前後に商売の神様、えべっさんにお参りするビジネスマンが多いです。十日戎と言われるものです。毎年9日の宵えびす、10日の本えびす、11日の残り福と三日間開催されます。経営者や商売をしている人だけでなく、会社勤めの人もお参りします。会社としてお参りする会社も多いです。

今年は新型コロナの感染法上の位置付けが変わって、初めての十日戎でした。私もお参りに行きましたが、ものすごい人でした。新型コロナ前でも、これほど人が多かったことはなかったと思うくらいの人出でした。

ところで、なぜ経営者はえべっさんにお参りするのでしょうか?

経営は戦略的に行うものです。当然、理論があり、メソッドがあります。戦略は論理的に考え、決定するものです。直感に頼っているように見えることもあります。しかし、それは経験から得た知見、そして何よりどうすればビジネスがうまくいくのか常に考え続けていることが背景にあります。決してただのヤマ勘ではありません。

しかし、どんなに真剣に考え、慎重に判断して行なった意思決定でも、成功確率は100%にはなりません。ちょっとしたタイミング、変化など、さまざまな偶然が重なって、良い結果が得られたり、悪い結果で終わったりします。これがビジネスの現実です。

この偶然の重なりを、運と言うのだと思っています。また、運命の悪戯という言葉に近い言葉に、神様の悪戯という言葉があります。想定外のことを起こすのは神様です。どんなに真剣に考え、実行しても必ずしも望む結果が出るとは限りません。人事を尽くすのは当然ですが、それでも最終的にどんな結果になるかは天命、神のみぞ知る部分があります。このことを商売人は昔から知っていて、えべっさんにお願いしていたのだと思います。

神頼みをする経営者を情けない、無責任などと批判する人がいます。しかし、神頼みに限らず、非論理的、非科学的なものを、どこかで信じている経営者は多いです。例えば、墓参りなど先祖の供養をきちんと行なうことを続けている経営者もいます。経営者で験担ぎをしている人も多いです。トイレ掃除を率先して行う経営者もいます。良い行いを行うことで徳を積めば良いことが起こると言って、小さな善行を見つけては行なっている経営者もいます。

これらの行動さえ行えば商売がうまくいくと思っている経営者はいないでしょう。しかし経営者は、ちょっとした偶然が結果を左右することも分かっています。コンサルタントである私は、経営に関して基本的に論理的に考えます。それでも人の力だけではどうにもならない部分をえべっさんに頼るのは悪いことではないと考えています。

人事を尽くしても結果が伴わなければ意思決定者、結果責任を負う者として批判の的にされるのが経営者です。神頼みに限らず、天命に良い影響を与えることならばするのは当然です。神などに頼らず、自分の力で何とかするのが経営者という人がいるかもしれません。合理的に決断し、真剣に取り組めば良い結果が出るはずなので神頼みするのは真剣さが足りない、無責任だという人もいるかもしれません。しかし、これらのようなことが言えるのは、世の中は非合理的だということが分かっていないからです。そして、経営者が背負っているものの重さも。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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