オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
先日のハロウィンに韓国の繁華街で群衆雪崩が起こり、多くの犠牲者が出ました。その責任は誰にあるのでしょうか?
韓国で起きた群衆雪崩事故は多くのニュースで取り上げられました。韓国は当然ですが、日本人にも犠牲者が出たこともあり、日本でも大きく報道され、その後も検証報道が続きました。群衆雪崩が起きる条件も伝えられる中、話題の中心は、
- なぜ群衆雪崩が起きるような状況になったのか
- 起きた後の対応に問題がなかったのか
- そもそも、避けられなかったのか
でした。
繁華街に多くの人が集まったことが原因なので、イベントのような主催者はいません。イベントのように主催者に責任を問うことは出来ません。また、新型コロナで自粛が求められていた期間が長く続いた後、自粛が緩和された中でのハロウィンです。久しぶりに解放感を味わいたいと集まった人を責めることも出来ません。もちろん、多くの傷ましい出来事と同様に、被害者を責めることはタブー視される傾向も背景にはありますが。
そこで疑問を投げかけられたのは警察でした。
- 警備体制など対策が不十分だった
- 危険な状況になっていると通報があったのに十分な対応をしなかった
などと批判にさらされました。
この事故が起きるまで、事故の危険性について報じた報道機関はなかったでしょう。もちろん事前に警鐘を鳴らした人もいたでしょう。しかし、それは少数であったはずですし、少なくとも多くの人が無視しました。それでも事故が起こってしまえば、責任を問われるのは、予見出来ず、十分な対策をとらなかった警察です。そして報道では予見できたはずだと責めます。正に後出しじゃんけんです。
リスクの評価には幅があります。評価する人の中には、必ずリスクを大きく評価する人がいます。そして、少数が指摘していたとしても、大多数が大きいと評価せず、注目していなかったリスクに対して十分に対策がとられることはありません。リスクへの対策には負担があるからです。今回の事故で言えば、警備する人を増やすという経済的負担があります。人出を制限すれば書き入れ時の売上が減ることになり、繁華街のお店にとっては機会損失という負担が出ます。もちろん、行きたいと思っている人にとって制限をかけられることで不満を感じるでしょう。
それでも事故が起これば、事故を起こさないための対策を講じることが出来たはずの相手を叩きます。
予見出来るリスクは膨大にあります。そしてリスクへの対策には負担が伴います。その負担と、起こる確率、起こった時の損害などを総合的に判断して、対策を行うかどうかを判断します。当然、全てのリスクに対して対策を講じることは出来ません。誰かが取捨選択を行わなくてはならないのです。
これは経営判断も同じです。対策を講じた場合はリスクを回避出来ますが、何も起こらなかったことにかけたコストや負担に対して、本当に必要だったのかと問われます。対策を講じなかった場合は、リスクが顕在化すれば、それはそれで叩かれます。いずれにしても評価されることは望めません。経営者にとっては理不尽なことでしょう。しかし、それが経営者の現実なのです。
本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。
応援しています!
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
提供サービス