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コンピューターのバックアップデータの限界

パソコンの並んだ会議室

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

大阪の病院のサイバー攻撃がニュースになりました。ランサムウェア、身代金要求型のウイルスに感染したそうです。

報道によるとウイルスは病院が提携している給食業者から入ったようです。ランサムウェアの感染には二種類あるそうです。一つはウイルスの入ったファイルなどが添付されたメールを送り付ける方法、もう一つは直接攻撃相手のコンピューターやサーバーに侵入して感染させる方法だそうです。

添付ファイルを送り付ける方法は、多くの人が知っていて、ウイルス対策ソフトを入れたり、むやみにファイルを開かないようにしていると思います。一方、直接の攻撃に関しても、ファイアウォールなどで対策をしていると思います。これらの対策を講じていても、ウイルスに感染した事例が多く報告されています。相手も対抗策を考え、侵入しようとしてきます。まさにいたちごっこです。

どれだけ対策していても感染してしまうことがあるのが現実です。そこで多くの会社などが行っているのがデータのバックアップです。データのバックアップをしていれば、バックアップしているデータを使って復旧することが出来ます。それは正しいのですが、事はそう簡単ではないようです。

まず対処しなくてはならないと思いつくのがデータを保存していたサーバーです。新しいサーバーに変えるか除染(?)しなくてはなりません。しかし、サーバーだけでは不十分です。

ウイルスに感染しているのはサーバーだけとは限りません。その感染している範囲の特定が大変なようです。サーバーだけでなく、ネットワークにつながっているパソコンやタブレットなどの末端全てにウイルスが潜んでいる可能性があります。感染しているところにデータを戻しても、またウイルスが悪さを始めます。関連する全てのものを感染していないかどうか確認するのは大変です。そして時間も、場合によってはお金もかかります。

さらにバックアップしたデータも、そのまま使えるとは限りません。バックアップしたデータの中にウイルスが入ってしまっている可能性もあるからだそうです。

今回の大阪の病院の場合、バックアップデータ利用の仮復旧に一か月半かかると報道されています。全面復旧には二か月半かかるそうです。

私も含めて一般的には、ウイルス対策をして、さらにデータのバックアップをしていれば大丈夫という認識を持っています。最悪ウイルスに感染しても、データのバックアップを取っていれば、すぐにでも元通りに業務が出来るというイメージです。しかし、現実は違っているようです。

ウイルス対策は必須ですが、ウイルス対策をしていても感染することがあります。そのためにデータのバックアップも必要です。しかし、データのバックアップを取っていても、そのデータを使って業務を元通りにするには相当な時間、お金、労力が必要なようです。そして何よりも、システムが復旧するまで、どのように業務を行うかも大きな問題です。

今、ITシステムやコンピューターを使っていない会社はないでしょう。そして全てのIT末端がインターネットなどのネットワークとつながっています。これらに頼って業務は行われています。ウイルスに感染しても、これらが使えない状態でも業務は行わなくてはなりません。出来なければ将来のビジネスに大きな影響が出ることになるからです。

大阪の病院のニュースは、ウイルス対策を考え、備えることが重要だと教えてくれています。起こる可能性は低いかもしれません。だからこそ、現場の危機感は低いでしょう、しかし実際に起こってしまうと、その悪影響は甚大です。このようなリスクへの備えを推進するのは経営者しかいません。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

応援しています!

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