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日銀の政策への批判はどこに?

人の前に立って伝えている男性

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

マスコミには多くの専門家が出演しています。専門家の意見は正しいのでしょうか?

ロシアのウクライナへの侵攻の後、原材料費の高騰などから多くの国で物価が上がりました。その中で、給与が上がらないことを問題視する報道が多くありました。このことが必ずしも正当な批判に当たらないことは以前ブログに書きました。

この時期、同時に日銀の金融政策に対する批判も多く聞かれました。国内の物価高の原因の一つは円安です。円安の原因は、海外の多くの国が利上げをしている中、低金利政策を続けている日銀の金融政策に問題があるとの批判が中心でした。

ところが、日銀は姿勢を変えませんでした。そこで批判の声はさらに大きくなりました。多くのマスコミはこぞって日銀を批判し、日銀の金利政策を批判する専門家が出演したり、コメントを寄せていました。その内容は、このままでは円安は一層進み、日本経済は壊滅的な状況になるという警鐘でした。

その後、どうなったでしょう?

海外では、さらに利上げをして金利差は一層大きくなりました。それでも日銀は政策を変更しませんでした。しかし、その後円安は進行を止め、まだ円安水準ではありますが、多少円高に振れたところで落ち着いています。

以前、このままでは円安は一層進み、日本経済は壊滅的な状況になると警鐘を鳴らしたマスコミや専門家は、どうしているのでしょうか?円安が落ち着いてからは、日銀の政策批判は全く聞かれなくなりました。あれだけ表立って批判したのです。何かコメントするべきだと思いますが、どうでしょう?

日銀批判も出来ませんし、危機感をあおるニュースでもありません。ただ釈明することに番組の中で時間を取ることはないでしょう。注目を集めることが出来ないからです。

ところで、日銀批判が激しい時、私たちはどうだったでしょうか?日銀の政策が悪いと思っていませんでしたか?専門家が言うのだから正しいはずだと鵜呑みにしていませんでしたか?

注目を集めなくてはならないのがマスコミです。警鐘を鳴らしたことは間違いではなかったのかもしれません。しかし、その内容を、そのまま信じて良いとは限らないのもマスコミです。そして、そこに出てくる専門家の意見も同じです。

専門家と言えば、私のようなコンサルタントも専門家です。コンサルタントも信用してはいけないのでしょうか?私は無条件に信用しないことをお勧めしています。最終的に何を信じるかを決め、判断に利用するのはクライアントです。そして、その判断の結果の責任を引き受けるのもクライアントです。

私も興味を引く話をしたり、同意してもらいやすそうな話をしたい気持ちにかられることがあります。もちろん、相手の意見に合わせたい気持ちになることもあります。しかし私は、自分で自分を戒めています。論拠があり、きちんと説明出来ることだけを伝えるように心がけています。結果の責任を取れるのクライアント本人だけですが、少なくとも私の意見が判断の理由になったのであれば、同義的な責任はあると考えています。ですので、専門家として意見を言う場合は、道義的責任を負う覚悟を持って言うように心がけています。

人は誰でも、もっともらしい意見や、自分が好ましい意見を正しいと思ってしまうものです。しかし、経営者の場合、どんな専門的な内容が背景にあることであっても、意思決定しなくてはならず、その結果を引き受けなくてはなりません。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

応援しています!

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