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円安を静観?

書類を見ながら頭を抱えるビジネスマン

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。

日銀は今の円安を静観するようです。その理由に困惑しています。

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日銀の金利政策が円安の要因の一つと言われています。しかし円安傾向が変わらない中、日銀は今のところ金利政策を変更しないようです。その理由の一つが消費者物価がそれほど上がっていないからだそうです。

円安だけでなく、さまざまな国際要因もあり、光熱費が上昇し、原材料費も上昇しています。政府の賃金アップの要請、最低賃金の見直しなどもあり、人件費も増えています。物の輸入、製造だけでなく、流通や販売、サービスの提供など、ほとんどの業種で固定費も変動費も上がっています

にもかかわらず、消費者物価の上昇率は、費用の上昇率と比べて低いままです。なぜ消費者物価は上がっていないのでしょうか?

それは間違いなく、コストの上昇分に見合う価格や料金の値上げを行なっていないからです。値上げは勇気と覚悟が必要です。買い控えや、競合他社から買うなどで売上が下がるリスクがあるからです。コストは増えているのに値上げをしなければ利益は減ります。利益を削ってでも、値段や料金を上げられないと考えている会社が多いのです。

日銀の発表の中で、消費者物価の上昇率は問題ないと同時に、賃金の伸びに注目していると言っています。実際、賃金の上昇率は消費者物価の上昇率を下回っています。つまり、物価上昇率を考慮に入れた実質賃金は下がっています。

賃金の原資は、粗利です。粗利を増やさなくては、財務的に健全に賃金を上げることはできません。現実にはコストが増え、値上げをコスト上昇分にも満たないレベルに抑えているのです。賃金を上げる原資はありません。

賃上げには粗利を増やすことが必要です。粗利は売上とコストとの差です。粗利を増やすには売上を上げるか、コストを下げるしかありません。売上が下がるリスクが高いので、値上げには慎重になって当たり前です。もう一つのコストですが、これは為替の影響も大きいです。円高はコスト減につながるでしょう。

消費者物価の上昇率が目指している水準よりも低いかもしれません。しかし、消費者物価が上昇しない理由は、コスト増に見合う値上げが行われていないからです。そして、値上げが不十分なため、中小企業の粗利は下がり、賃上げする余裕がないだけでなく、財務的に苦しくなっています。

政府や日銀の政策に不満を感じている中小企業の経営者は多いです。それは当然です。中小企業の現状を分かっていないのではないかと思います。しかし、政府も日銀も政策を変えないでしょう。ならば、変えないならばどうするかを考えるしかありません。

賃金に関して言えば、賃上げが先か値上げが先か?まさしくニワトリと卵の話と同じです。業務に必要な人員を確保するには、賃上げはやむを得ないでしょう。この現実を変えることはできません。つまり、人件費に使える原資を増やすには粗利を増やすしかありません。コストが下がるのを待っている余裕はないでしょう。ならばできることは、一つしかありません。値上げです。

このブログで何度も書きましたが、どうやって値上げするかを考えなくてはならない時代です。いくら難しいことでも、他に選択肢はありません。そして、このリスクもあり、勇気も覚悟も必要な意思決定ができるのは経営者しかいません。そして、売上を落とさないかを考え、実行する上で、従業員を巻き込むのも経営者にしか担えない役割です。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

応援しています!

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