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「先生」と呼ばないようにお願いしている理由

協働の図
2021/05/25 情報を更新いたしました。

 コンサルタントという仕事をしていると、「先生」と呼ばれることが多くなります。

何か照れ臭いものですが、悪い気はしません。
セミナーや、勉強会の時は、「先生」と呼ばれてもそのままにしています。
ただし、お客さまのところでは、「先生」と呼ばないようにお願いしています。

私が提供しているコンサルティングの場面では、支障があるからです。
実は、これは社内で肩書で呼ぶことの影響にも共通しています。

呼称は、お互いの関係を表します。
「先生」の相手は「生徒」です。
お客さまですから、「生徒」ではないにしても、教わる立場である、ということです。

もちろん、コンサルタントをしているのですから、お客さまよりも、知識、情報、ノウハウなどをたくさん知っています。
その意味では、教えることが出来るモノを持っています。

ご存知の通り、経営やビジネスに「正解」はありません。
ですので、コンサルタントは、「正解」どころか、「答え」ですら最初から持っているわけではありません。

ところが、基本的に経営者も社員も真面目な方が多いです。
熱心に学ぼうとします。
それは、ありがたいことです。
しかし、「教わる」という立場に身を置くということは、「先生」が「答え」を教えてくれるということになりがちです。日本では、ずっとそのように教育を受けてきたのですからやむを得ません。

そうすると、何が起こるでしょう?

コンサルタントが「答え」を知っていることが前提になります。
すると、自分で考えるというよりも、コンサルタントが持っている「答え」にたどり着く思考パターンになります。

これは、身についた習性みたいなものです。
これを少しでも弱めないと、コンサルタントも十分な情報が得られず、結局、判断を誤ってしまう可能性が高くなります。
コンサルタントが与えた一つの「仮説」を受け入れなくてはならない「正解」だと理解しようと努力してしまうので、反論が出にくくなるからです。
「先生」という呼称が、さらにその傾向を強めます。

私は、現場を大切にし、現場の生の情報を一番知っているのは、その現場にいる社員だと思っています。
ツールや道具は提供し、その使い方は教えます。
その上で、現場を一番良く知っている、実際に現場で実行する、結果を実感し、味わう経営者や社員の方とそのツールや道具を使って一緒になって「答え」を見つけることを大切にしています。

その過程こそが、お客さまの成長を支援することになると信じているからです。
その実現のために邪魔になる可能性のある「先生」という呼称を使わないようにお願いしているのです。

社内での肩書きや呼称にも、同じような影響があると言われています。
「〇長」は従うべき相手だと自然に相手の言っていることを受け入れるなど、反応してしまいます。
社内で、肩書なしで「さん」付けで呼ぶことを実行している会社がありますが、それも、同じ効果を狙っているのです。

 
一度、考えてみる価値はあります。

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