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H3ロケット1号機打ち上げが失敗しました。この失敗の捉え方と反応はさまざまです。
日本の新たな主力ロケットの打ち上げが失敗しました。宇宙開発競争は激しさを増しています。その中で、H2ロケットの役割は大きく、重要なプロジェクトです。莫大な資金が投入されています。そのため、今回の失敗のインパクトは強く、日本の宇宙開発に与える影響は大きいです。
もちろん、宇宙には夢があります。強い関心を持つ人も多いです。ロケットの打ち上げを見ようと現地に詰めかけた人も多くいました。テレビなどでも多く報道されていました。それだけ注目を集めているプロジェクトです。
多くの人が注目し、国家プロジェクトとしても重要で莫大な資金がつぎ込まれているH3ロケットの打ち上げ失敗です。落胆の声が多く聞かれました。そして失敗の原因究明だけでなく、責任を問う声が上がり、このプロジェクトの継続するかどうかにも疑念や心配の声が上がっています。
このようなプロジェクトが失敗した場合、当然のことながら責任者は責任を問われます。そして主要なメンバーへの信頼や評価も下がります。しかも、今回のプロジェクトには莫大な資金が必要です。そこで、このプロジェクトを継続するのか?継続するとすれば、今のメンバーで良いのか?などが議論されることになります。宇宙開発競争に国として関わることは避けることが出来ないでしょう。
では、今後はどうすると良いのでしょうか?
まず、今のプロジェクトを継続するか、別のモデルのロケットで新たなプロジェクトを立ち上げるのかが検討されることになるでしょう。その判断は、今回失敗した原因を究明し、特定し、解決可能かどうかによって変わるでしょう。解決可能であれば、別の形式のロケットに新たに取り組むよりも、時間的にも費用的にも少なくて済む可能性が高いです。
開発メンバーについては、どうでしょうか?失敗の原因を責任者に取らせなくてはならないという人が多いかもしれません。開発に関わったメンバーには能力が不足していたとして外し、一新する方が良いという声が大きいかもしれません。しかし、それで良いのでしょうか?失敗も一つの経験です。そして、これまでの開発で試行錯誤を続けてきた経験から得た知見は膨大なものです。ロケットのモデルが変われば、新しいモデルロケットの形式をどうするかに関わらず、今のメンバーを中心に行う方が、次に成功させる可能性が高いと思われます。
このような巨大プロジェクトで失敗が起こった場合、責任者の責任を厳しく追及し、プロジェクト自体の問題点がことさら強調されることが多いです。心情的には分かります。しかし、現実的に考えれば、問題点を整理し、課題が見え、対処出来るならば、今までのメンバーのままでプロジェクトを継続する方が、今後成功する可能性は高いです。もちろん、もし予算の問題をクリアする必要はあるでしょう。しかし、このプロジェクトが本当に必要なことであれば捻出しなくてはならないのです。
今回のH3ロケット打ち上げ失敗と、その後の報道などを見ていて感じたのは、ビジネスでも同じような状況があるということです。社運をかけた新規事業のプロジェクトやベンチャー企業の立ち上げです。初めてのことなので小さな失敗は当然です。大きな失敗もあるでしょう。それも成功へのプロセスの一部です。しかし、失敗すれば中止を決めることもあるでしょう。責任者の責任を問うこともあるでしょう。継続するとしても、責任者やメンバーを入れ替えるかもしれません。これは心情的には理解出来ます。しかし合理的に考えれば、経験を積み、知見とノウハウを蓄積している同じメンバーにもう一度チャンスを与える方が、次回の成功の可能性は高いです。
プロジェクトの失敗はあって欲しくないことです。しかし、チャレンジしている限り失敗はつきものです。失敗が起きた時、止めるのか継続するのかを最終的に決めるのは経営者です。そして、継続すると決めた場合、責任者を変えるかどうか決めるのも経営者です。そして、メンバーを入れ替えるのかどうかを決めるのも経営者です。
あなたなら、どう決断しますか?
本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。
応援しています!
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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