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【Go To トラベルの迷走から学ぶ】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
Go To トラベルが迷走しています。
そこには経営者が注意しなくてはならない学ぶべき点があります。


Go To トラベルは迷走を続けています。
開始を前倒しし、対応する現場は混乱。
感染の拡大傾向を受け、東京発着だけを対象外にして混乱。
高齢者や若者の団体を除外することにしたが、年齢や人数の判断を業者に任せて困惑。
対象外となってキャンセルした場合のキャンセル料を政府が負担しない方針に批判が強く、一転して補填することにしたことで現場が混乱。
挙げていけば、きりがありません。
移動自粛によって影響を受けているのは旅行業者や宿泊業者、輸送関係業者だけではありません。
観光施設やレジャー施設、観光地の飲食店、お土産物店など、そしてそれらの事業者に食品や物品を納入している地元の業者も影響を受けます。
自粛によってダメージを受けている経済への対策としては良いものです。
大義名分があるだけではなく、効果も期待出来るものです。
その実施に期待する業界も多くあるはずです。
推進しようとしている側にとっては、思いも強くなりますし、前のめりになります。
ところが、気持ちが前のめりになり、賛同者が多いと、起こりがちな問題があります。
批判や反論は耳に入りづらくなり、問題を軽視したり、無視しがちになります。
少なくとも周囲からは、問題に気付いていないように見えてしまいます。
ところが実際に批判の声を多く、強くなったり、大きな問題が起こることがあります。
その時、今回のGo Toトラベルのように、方針を変えると、どうなるでしょう?
たびたび方針を変更すれば一貫性がないと思われます。
変えた方針を実行するために、対処しなくてはならない人が出てきます。
振り回されるのは現場です。
方針を変えたことによって、不利益を受けたり、得られると思っていた利益を失う人も出てきます。
当然、これらの人は不満を感じます。
思い入れが強いことは良いことです。
しかし同時に、出るであろう批判や反論、起こる可能性のある問題を想定し、備えておくことも必要です。
想定していた批判や反論であれば、再反論することが出来、決定を覆すこともないでしょう。
問題を想定していれば、事前に対処方法を考えておき、実際に問題が起こっても対処出来るでしょう。
何かを実行しようとすれば、そのために体制を整えなくてはなりませんし、準備も必要です。
一度決定したことを覆すことは、関係する人にとっては迷惑なことです。
意思決定者は、想定されることを考え、必要なものに対しては備えた上で意思決定することが大切です。
ここが不十分な意思決定によって、変更が繰り返されたり、大きな変更が起これば、意思決定者に対する信頼は失われます。
意思決定は、思い入れを持ちながらも、前のめりになり過ぎないように注意し、必要な想定をした上で行うことが重要です。
このことを理解し、実行しているのも現場力の強い経営者の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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