ビブラビ記事一覧

【何を重視しているかは何を通して伝わる?】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
何を重視しているかは、何を通して伝わるのでしょうか?
それを知るヒントはアベノマスクの配布にあります。


新型コロナウイルス拡散防止のために、マスクを着けることが求められています。
しかし、市中ではマスクが手に入りにくい状況が続いていました。
そこで政府が全世帯にマスクを配ることを決めました。
いわゆるアベノマスクです。
いざ配布を始めると、不良品が混ざっていて、検品に時間がかかり、配布に時間がかかってしまいました。
迅速に膨大な数のマスクを調達し、日本中の全世帯に配るのは困難なことです。
もちろん、不良品が混ざるなどのことは、あって良いことだとは言いません。
しかし政府として、本当に問題なのは、不良品が混ざったことでも、配達自体に時間がかかったことではありません。
それは、配布の順序です。
当初、重症化する可能性が高いと言われている高齢者が集まっている介護施設などと、妊娠している人に先に配ると言われていました。
そして、その後に一般世帯に配ると発表されていました。
ところで、感染拡大を抑制するという目的のためには、どの地域から配ると良いでしょうか?
当然、感染の拡大しているリスクの高い地域です。
不要不急の外出は自粛するように要請されていましたが、食品などは買いに出かけます。
そこで求められていたことの1つがマスクの着用です。
感染が広がっており、リスクの高い地域に優先的に届けることが目的に合っています。
ところが実際には、特定警戒都道府県であっても、96%の配布が完了した時点で届いていない世帯がありました。
中には、おおむね配布が完了したと発表された日になっても届いていない世帯もありました。
この現状を知って、感染拡大防止することは、政府にとって本当に重要なのかと疑問を感じました。
政府は、本気で感染拡大を抑制したいと考えていたと思います。
そして、そのため、必要なのに入手が困難なマスクを、国民全員に届けることが必要だと考えていたと思います。
ところが、届けること、その中でどこから先に届けたか、という実際の最終的な行動が、別のメッセージを伝えてしまうことになったのです。
優先順位は大切だと言われていますし、意識している人も多いと思います。
しかし、その優先順位が人に伝わるのは、その行動を通してなのです。
逆に言えば、人は実際の行動を見ることを通して、相手が何を重視しているのかを見極めるのです。
まず本来の目的を果たすために優先順位を決めることが必要です。
そして実際の行動が、そもそもの目的、優先順位に従ったものになっているかを、常に確認することが重要です。
それを意識しているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オフィス・ビブラビのサービス
執筆者、長尾洋介のプロフィール

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アーカイブ

オフィスビブラビ公式Facebook

PAGE TOP