神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
社内で肩書を付けずに呼ぶ会社が増えています。
それは効果的なのでしょうか?
会社で使われる肩書のほとんどは役職名です。
役職名は、役割を表すと同時に地位も表します。
会社員にとって役職は一種の称号であり、ステイタスです。
役職名は地位を表すので、当然ながら人と人との上下関係も決めます。
フラットな組織、自由闊達な風土が良いとされている風潮があります。
その流れの中、社内で役職名を付けずに呼び合うことが流行りのように広がりました。
肩書なしで呼び始めた頃、多くの社員に戸惑いがあったようです。
役職が上位の人に対して「さん」付けで呼ぶのは失礼な感じがして呼びにくいものです。
役職や年齢が下の相手に対して、「さん」付けで呼ぶのに抵抗を感じた人も多かったようです。
そして呼ばれる側も、上位者から「さん」付けで呼ばれるのに恐縮したそうです。
下位の人から「さん」付けで呼ばれることで、不愉快に感じた人もいたようです。
しかし、それもいつしか慣れてしまうものです。
そして当たり前のこととして定着します。
ところで期待通りの結果は出ているのでしょうか?
私が見聞きし、情報を集めた範囲では、大きな変化は起こっていないようです。
自由闊達になり、社歴や年齢、役職に関係なく意見が自由に言えるようになったという声は聞こえてきません。
役職の下位の意見が以前よりも通りやすくなった会社があるという話も同じく、ほとんど聞かれません。
肩書で呼ばないのは、誰にも明らかに感じられる変化です。
そして形から入るのも、効果的な方法の1つです。
しかし、形から入るのは良いのですが、形だけ変えても意味はありません。
呼称を変えるという誰にでも感じられる変化をきっかけに、実質的な変化を起こさなくてはなりません。
それが元々の目的だからです。
そして、それが本当に難しいことなのです。
元々、肩書付きで呼んでいても、自由闊達な風土を持っている会社もあります。
呼び方は変えないままで、自由闊達な社風に変えた会社もあります。
呼び方がフラットかどうかは、本質には関係ないのです。
変えるべきことを明確にし、それを実現するという目的から焦点をずらしてはいけません。
目に見え、誰にでも感じられる変化は、きっかけでしかありません。
そのことを理解し、時にはきっかけとして効果的だと考えれば、形から入る方法も使いながら、社内に変化を起こし、何かを実行させているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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