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ロジカル・シンキングで有用な二つの思考法

黒板を見てじっくり考える男性

ロジカル・シンキングを現場で応用して使うのは簡単ではありません。いくつもの応用のための思考法があります。その中で、特に有用だと考えているものが二つあります。

目次

システム・シンキング

一つ目はシステム・シンキング(システム思考)です。ロジカル・シンキングは、ある意味、固定的で一直線です。環境や状況は常に変化しているのに、固定的で一直線で考えると、現実に合っていないと感じることも多くありました。そのような時に出会ったのがシステム・シンキングという思考法でした。

システム・シンキングでは、物事をシステムとして捉えて、そのシステムを構成する要素同士のつながりと作用に注目します。そのシステムを図式化して、全体を把握しながら定性的分析を行います。現実は複雑で、一つの事柄が原因でもあり結果でもあるなど、作用が一方方向ではありません。その全体像から現状を把握し、対策などを考える場合に役に立ちます。

TOC

システム・シンキングと同じように、ロジカル・シンキングをそのまま使っても問題の原因を見つけたり、どの対策をどこに行うか良いか分からない時に出会った思考法です。

TOC(Theory Of Constraints)は「ザ・ゴール」という書籍で紹介されて有名になった、ゴールドラット博士によって提唱された「制約理論」または「制約条件の理論」です。「どんなシステムであれ、常に、ごく少数(たぶん唯一)の要素または因子によって、そのパフォーマンスが制限されている」という仮定から出発した包括的な経営改善のための考え方です。パフォーマンスを制限するものは、システムの制約または制約条件と呼ばれて、TOCの名前の由来になっています。

制約にフォーカスして問題解決を行えば、小さな変化と小さな努力で、短時間のうちに、著しい成果が得られる、という考え方が基本になっています。システムのパフォーマンスを決めている、ごく限られた箇所を改善または強化すれば、システム全体としてのパフォーマンスの向上に直接寄与するという考え方です。TOCでは、システムのパフォーマンスを上げるために、制約となっている個所を見つけ、どのような対策をどこに打てば良いかを見つけるツールが紹介されています。

TOCで私が特に価値があると思っていることがあります。対策を打てば、その内容によっては関係する他の部門や要素に何らかの影響を与えます。その影響も考慮に入れて対策を考える視点です。この視点が、対策を考える時に一般的なロジカル・シンキングだけでは不十分だと感じていたことを解消してくれました。

ロジカル・シンキングは現場で機能して初めて価値がある

ロジカル・シンキングは有用です。しかし現場は多種多様です。ビジネスでは考える対象も多種多様です。一般的なロジカル・シンキングでは、結論に違和感を感じることもあります。私の場合、違和感の中心は、リアリティが感じられないことです。

そのような時、助けになっているのがシステム・シンキングとTOCなどの思考法です。いずれの思考法も、それぞれが解説する書籍が出ています。ここに書いた特長や価値は、あくまでも私の個人的な意見です。興味を持たれたら、是非学んでみて下さい。

ロジカル・シンキングに限らず、知識もスキルも現場で機能して初めて価値があります。この二つは、それぞれ書籍が多く出ていることから分かるように、理解するのも使えるようになるのも簡単ではありません。それでも使えるようになれば、ロジカル・シンキングを現場で機能させる可能性が高くなります。

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