個性を重視することが求められている時代です。人材活用でフェアに扱う上でも、相手の意思を尊重することが大切です。
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個人の違いとその背景に関心を寄せる
以前は個人の個性よりも、会社の効率性が優先されていました。会社は従業員に会社の効率性に合った行動を取ることを求めました。ところが、今は時代が変わりました。個性を尊重し、活かすことが必要とされています。
その前提は、人にはそれぞれ意見が違うことです。仕事に関してどのような違いがあるのでしょうか? ?
まず、仕事に関する考え方が違います。仕事の中で意義を感じる要素は多くあります。成長、貢献、報酬、評価、存在感、居心地などが主なものです。誰でも全てに意義を感じますが、その優先順位は人によって違います。
また、人にはすることにも好みがあります。したいこと、したくないこと、特にどちらでもないことがあります。したいことやしたくないことにも、どうしても、出来ればなど強弱があります。
さらに、当たり前と思っていることも人によって違います。
これらの違いの背景には何があるのでしょうか?育った環境、家庭や学校などのコミュニティも影響を与えます。成功体験や失敗体験などの経験したことも影響を与えます。
考え方や意見が全く同じ人はいません。性格の違いもあるでしょうが、背景も違うのですから当然です。会社にとっては、個人的な事情にしか過ぎないことかもしれません。しかし、個人的なことにも配慮することが必要な時代なのです。
尊重と譲歩とを混同しない
従業員の考えを尊重することが必要な時代です。しかし、会社は仕事をする場所です。会社は多くの人が連携し、それぞれの役割を果たすことで機能する組織です。個人がそれぞれの考えで動いたのでは機能しません。当然、考えが違っても、組織の一員として従ってもらわなくてはならないこともあります。
従業員が、従うことに難色を示したり、拒否した場合は、どうすれば良いのでしょうか?
会社の意向が従業員の考えに合わないことは、以前からありました。以前は、会社の意向に従うのが当たり前でした。ところが今は、一方的に押し付けてはいけません
まずは、相手の考えを聞き、会社の意向を背景を含めて説明します。それで相手が従えば良いのですが、それでも従わない場合もあるでしょう。その時は、会社として従わせなくてはならないことかどうかを再度検討しなくてはなりません。
会社には慣例や慣習など、深く考えず当たり前として扱われていることもあります。本当に従わせなくてはならないことかどうか考えることは、会社全体の改善につながる可能性があります。従わなくても良いことと分かれば、会社の意向を取り下げましょう。
一方、再度検討しても従ってもらわなくてはならないことであれば、従うことを求めなくてはなりません。その時、従業員はどうするでしょうか?
従う人もいるでしょう。それでも従うことを拒否する人もいるかもしれません。会社を辞める人もいるかもしれません。
基本的に選択権は、従業員にあります。しかし、従うことを拒否することは許してはいけません。会社の譲れない意向にも従わないけれど、組織の一員として残るという選択肢はありません。相手の意思を尊重することは、一方的に譲歩することでも妥協することでもないのです。選択権を与えることです。
人によって対応を変えない
会社の意向が従業員の考えに合わないことは、以前からありました。以前は、会社の意向に従うのが当たり前でした。ところが今は、意見が違えば会社の意向に反対することも良しとされる時代です。
従わない従業員からは、相手の考えを聞き、会社の意向を背景を含めて説明します。それでも納得が得れらなければ、会社として見直すべきかどうか検討することが必要です。そして、再検討の結果には従わせなくてはなりません。
会社の意向に反対する従業員がいた場合の対処で、注意しなくてはならないことがあります。それは相手によって対応を変えないことです。
従業員には主張を曲げない、周囲への影響力が強い、言い方が強硬な人もいます。この人がいないと仕事が回らないほど能力の高い人もいるでしょう。これらの人からの反対意見には耳を貸し、意見を取り入れがちになります。その逆の従業員の意見は軽く扱いがちになります。
従業員の処遇には差があることは当然です。しかし、会社の意向に対する意見の違いに対する対処に関してはフェアとは言えません。
特定の従業員の意見に個別に合わせていると、当然のことですが、全体の整合性が失われていきます。会社は多くの人が連携し、全体として機能する組織です。全ての従業員が会社全体の基本的な意向には従わなくてはなりません。
従業員をバスの乗客に例えることがあります。どこに向かうのか、どのルートを通るのか、乗客が従わなくてはならないルールがあるのかは決まっています。これらはバスによって決まっています。どのバスに乗るかを決める権利を持っているのは乗客です。一方、バスに乗った限りは、決まりに従ってもらわなくてはなりません。
バスには他の乗客もいます。他の乗客の意見も尊重しなくてはなりません。相応しい人をバスに乗せることも大切なのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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