セルフマネジメントで大切なのは、自分が自分のリーダーであることです。そこで重要なことの一つが、主体的であることです。
目次
主体的であるとは?
主体的という言葉は、主体的に生きる、行動するなどのように使われます。他人や世間に振り回されず、自分で自分のことを決めているイメージです。とは言え、他人や世間を全く気にしていなければ、自分勝手と言われます。
主体的と言われる人は、世間を知り、周囲のことも考慮しながらも、流されず、自分で決め、自分で決めたことを守り、実行しています。言い換えると、最終的にどうするかを決めるかを選んでいるのも、決めたことを実行するかどうかを決めているのは自分自身だと自覚している人です。
常に選択していることを意識する
人の生活は選択の連続です。目覚まし時計が鳴って起きるか起きないか、お昼ご飯に何を食べるかなど、細かいことも含めれば人は常に選択しながら生きています。
これ以外にも日常的に多くのことを選択しています。
- この時間に何をするか
- 何かをする、しない
- 他人の行動を許す、許さない
- 他人から頼まれたことに関わる、関わらない
- 他人の良くない行動を黙認する、介入する
もちろん、
- 何を目指すのか
- そのために何をするのか
など、人生の方向性に関わることも選択しています。そして、これらの自分で決めた方向性に照らし合わせて、日常的に選択を行うかどうを選択しているのも自分自身です。主体的であるためには、自分自身が選択していることを意識することが重要です。
現状は過去の自分の選択の結果
厳しい言い方かもしれませんが、現状は過去の選択の結果です。目指すものを決めたのも、何をするか、何をしないか、その時々に何をするのかを選んだのは自分です。その結果が現状です。
「原因と結果の法則」と言う、自己実現や自己啓発で有名なジェームズ・アレンの名著があります。結果には必ず原因があります。過去の自分の選択と行動の結果が現状なのです。
これを受け入れるのは簡単ではないかもしれません。特に現状が悪い状態であれば、受け入れたくないでしょう。過去の選択や行動には選択の余地がなく、やむを得なかったかもしれません。それでも、やむを得ないと判断し、他の選択肢を選んだり、他の行動をとることを受け入れたのは自分自身です。そのことを認め、受け入れなくてはなりません。それが、主体的であるために必要なことだからです。
覚悟は何度も試される
過去の選択の中に、不本意だったけれど、やむを得なかったと考えていることもあるでしょう。誰にでもあると思います。私にもあります。
例えば、何かを目指そうとした時、親など周囲の人から、無理、無謀だと反対されたかもしれません。周囲を説得するのを諦め、目指したいことを諦め、他のことを目指すことを選んだのは自分です。
目指したことに向かって頑張っていたのに、思うような結果や成果が得られなかったり、壁に当たったこともあったでしょう。その壁を乗り越えることを諦め、目指していたことを諦めたのも自分です。
そして、目指すことのためにしようと決めたことなどを、何らかの事情や対処しなくてはならない事態が起こって、するのを止めたり、先送りしたこともあるでしょう。止めたり先送りすると決めたのは自分です。そして、その後、しようと決めたことをするのを再開していなかったとしたら、それを選んだのも自分です。
これらは全て、やむを得ないことだったかもしれません。それでも、最終的に諦めると決めたのは自分です。
目指すものがあっても、全てが順調に進むことはありません。周囲の反対も、ぶつかる壁も、日々しようと決めたことが難しい事態が起こるのも、当然のことです。これらは、目指す覚悟を試すために与えられる試練と言う人がいます。
節目節目、そして日々起こる障害に対して、どのように考え、判断し、どのような行動をとるかが結果を決めます。その都度、目指すことへの覚悟が試されます。そして、何を選択するか決めているのは自分自身なのです。
自ら出来ることをする
とは言え、目指す方向に向かう中で、やむを得ないこともあるのも現実です。
例えば、違う考えを持つ人です。親や周囲の人に賛成してもらい、応援してもらいたいと思うものです。ところが、全員が賛成してくれることは稀です。きちんと説明し、熱意を伝えても賛成してくれない人がいるものです。人はそれぞれ違う考えや価値観を持っています。賛成してくれない人がいても当然です。
説得して合意してもらえるように努力することは大切ですが、他人の考えを変えようとしても無理なこともあります。誰でも他人に考えを変えられたくないから、仕方がないことです。ですので、賛成してくれないことを不満に思い、すべきことに集中出来なかったり、エネルギーを奪われるのは無駄です。他人のことは置いておいて、自分のすべきことをきちんとすることが大切です。これが出来るのも主体的な人の特長の一つです。
また、何らかの事象で思うように、しようとしていることが出来ないこともあります。日常、さまざまなことが起こるのは普通のことです。何も起こらず、しようとしていることが出来る状況が続くことの方が異常です。
しようとしている時に、出来ない事情があれば、その時は出来ないでしょう。それでも大切なことであれば、タイミングをずらしてでもすることは出来ます。当初考えていた計画よりも遅くなるかもしれません。それでも必要なことであれば、いつかはしなくてはなりません。そして、人事尽くして天命を待つのです。この姿勢で物事に取り組んでいるのも主体的な人の特長の一つです。
使う言葉、頭に浮かぶ言葉にも注意
主体的であるかどうかは、自分で決め、行動してるかどうかで決まります。主体的な人の多くは、使う言葉に傾向があります。実際には、使わない言葉に傾向があります。主体的ではない言葉を使わないのです。
例えば、
- 仕方がない
- どうしようもない
- 無理
- どうせ
などの言葉を使いません。
言霊という言葉があります。大まかに言うと、言葉が、霊のように憑りついてその人を支配し、現実にしてしまうのです。主体的でない言葉を使うことが多ければ多いほど主体的でなくなるのです。
使う言葉の影響に関して三つの注意事項があります。一つ目は、主体的でない言葉を耳にする機会を減らすことです。頻繁に主体的でない言葉を使う人との付き合いを減らし、主体的な言葉を使う人と一緒にいる時間を増やす方が良いです。二つ目は、他人に対しても主体的な言葉を使わないようにすることです。口にすることで自分の耳に聞かせることになります。使う言葉の影響は、独り言であっても他人に対して使っても同じだと言うことです。三つ目は、耳にしたり口にするだけでなく、主体的でない言葉を頭に浮かべないようにすることです。人は頭で考えます。主体的でない言葉が浮かぶのは避けられませんが、浮かんだ時は、打ち消して主体的な言葉に置き換えるようにすることで、影響を避けることが出来るようです。
自分の行動を選び、実行する
目指すものがない、という人もいます。しかし実際には、そうではない人が多いと感じています。人に言ってすごいと言われるようなものである必要はありません。例えば、平穏に暮らしたい、も十分目指すものと言えるものです。平穏に暮らし続けるのも、流れに任せているだけで実現出来るような簡単なことではありません。
人は、何を目指すかを決めることが出来ます。目指していることがあり、懸命に取り組んでも、確実に目指しているものにたどり着けるとは限りません。結果は確実ではないのが現実です。
主体的な人は、何を目指すかを自分で選びます。結果が確実でないことを受け入れた上で、目指すもののために必要なことをします。障害があっても、状況を判断し、どう対処するかを考え、どう行動するかを判断します。そして、決めた通りのことを実行します。
主体的であるのは簡単ではありません。厳しい言い方をすれば、ただ流され、他人に合わせ、気分のままに行動する方が楽だからです。しかし、そのような行動をすることを選択しているのは自分自身です。そのことを自覚することが主体性について考える第一歩です。
人は常に選択しています。今何をするのか、次に何をするのか、そして何をしないかを考え、決めているのです。自分で考え、選び、行動すること常に意識することが重要です。そして自分が選んだ行動を取ることが、主体性を発揮することです。
主体性を発揮するのは簡単ではありませんが、シンプルなのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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