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ミッションと現実のギャップの悪影響

 ミッションは、会社の方向性や、社会での存在意義を表したものです。

当然ながら、その内容は高尚なものになります。


一方、現場では会社の存続のために厳しい競争にあり、
そこで行われていることは、
全てがミッションに合致したものではありません。


そして、現場の社員は、
ミッションのような会社の方向性や原則と
現場で起こっていることとのギャップに
ある者は混乱し、
ある者は失望し、幻滅し、
それによって、やる気を失う者もいます。


 会社は公器と言われます。

会社は、世の中の支持を受けなくては成り立ちません。
そのため、会社のミッションや事業は、
世間から受け入れられるものでなくてはなりません。
これは、綺麗事ではありません。
好む好まざるの問題ではなく、原理原則のようなものです。


ところが、
現場での社員への指示や、相談した時の回答は、
その高尚なミッションに反する内容。
ということは、現実には頻繁に起こります。


なぜなら、一方で、会社は売上や利益を上げなければ
存続出来ません。
それは厳しい現実です。
理想と現実とのギャップ。
ミッションと現場での指示との矛盾。


会社が有名であったり、
業界の大手やリーダーであったり、
大企業であったりすると、
ミッションで掲げる内容がより高尚なだけに、
これらの差は、より大きいものになりがちです。


これは、会社や経営者が不誠実なのでしょうか?
掲げたミッションは、ただの綺麗事なのでしょうか?


ミッションの通りに経営を行えば、
事業が上手くいく、と考える方が綺麗事だと思います。


本当に良いものであれば売れる
正しいことが受け入れられる
などと同様に、
理想ですし、
そうあって欲しい
と願っていますが、現実には、そうではありません。


ミッションは、追求する目標です。
目指すものです。


会社は、常に発展途上です。
ミッションとビジョンを実現するために、
努力を続けるものです。


特に会社は、事業として成り立たなければ存続出来ません。
そして、消費者や社会も、
ミッションの高尚さは求めながら、
そのミッションの高尚さで、
どの会社の商品を買うか、
どの会社にサービスを頼むか
を決める訳ではありません。


消費者やマーケットの行動は、現実的です。


である以上は、会社も、ある程度の現実的な対処を
することは、やむを得ないことだと思います。


ただ、理想と現実は違う、といっても
それが、正しいことではありません。
ミッションから外れていることに慣れてしまってはいけません。
目指すべきものから目を逸らしてはいけません。
そこにギャップや矛盾があることから
逃げてはいけません。


そして会社として、
そのギャップや矛盾を認識していること、
その中で現実的に対処していること、
理想を放棄していないこと
理想に向けて努力は続けること
を社員に伝え続けることが大切です。


もし、目差す思いのないミッションならば、
取下げることをお勧めします。
それは、ただの「嘘」だからです。
社員は、その「嘘」を見抜きます。
会社が社員に対して不誠実でありながら、
社員に勤勉さを求めることは難しいです。


ミッションも
現場での指示も、
社員には何らかのメッセージを伝えます。
メッセージの矛盾やギャップは、
相手に不信感を与えます。


理想と現実のギャップに
経営陣や管理職も気付き、苦心していることを
メッセージとして、
社員に、そしてマーケットにも伝えることは、
真に誠実であると言えます。


決してミッションと違うことをする言い訳ではなく、
その実現に向けて改善の努力をしていることを、
具体的に見える形で示す。


そんな真摯な姿勢が、大切です。

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