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【大義は有効ですが注意も必要】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
人の協力を得るために説得が必要な場合、大義は有効です。
しかし、その使い方には注意が必要です。


経営者は経営していくために、他の人の協力を得なくてはなりません。
その相手は、従業員など社内の人だけでなく、取引先などの社外の人も含まれます。
人に協力を求める場合、多くの人は3つのものを使います。
情、論理、大義です。
情に訴えるのも有効ですが、社内外の多くの人に協力を求める場合、論理的に説得することも必要です。
また、多くの人を説得するには論理的に有効性や実行可能性を説明するだけではなく、それを実行する大義が必要です。
説得する相手は多種多様な考えを持っていて、立場によって利害が違います。
そこで、考えや利害の違いを乗り越えるには、大義があるかどうかを説明することが効果的です。
そのことを知っている人は多くいます。
そこで、考えや決断の理由を説明したり、人を説得する時、大義や正論を交える人が多いです。
大義や正論は、誰にとっても、もっともだと思われることです。
反論の余地がありません。
大義や正論のためになることだと説明すれば、当然のことながら、説得力が増します。
ところが、大義や正論を使うことで、かえって問題が起きることもあります。
大義や正論は、具体的に何をするのか、どのような決定を下すのかの基となるものです。
ところが、何をするかの理由付けのために使う人が少なくありません。
そうすると、さまざまな決定事項と大義が結び付かなくなります。
このような矛盾があると、説得されている人は、どのように感じるでしょうか?
自分がしたいことを正当化するために、反論出来ない大義や正論を利用していると感じるでしょう。
大義や正論には、反論を許さない強さがあります。
そして、最近のトレンドや、これからの時代はこうだという世論も同じで反論の余地はありません。
ところが、自分がしたいことを正当化するために、これらを利用すると、かえって相手の信用を失うことになります。
つまり、大義や正論を振りかざすと信用を失うのです。
これは、社内の人が経営者や管理職を批判する時にも使われます。
自分は何気なく使っていることの問題点は、逆の立場になった時に気付きやすいものです。
経営者が社内外の人を説得する場合、大義や正論を根拠として使うことは有効です。
しかし、本当に根拠として使うことが重要です。
時には大義や正論を使いながらも、信用を失わないように論理的に矛盾がないように説明し、感情にも訴えることが大切です。
これを意識しながら、意思決定を行い、伝えているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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