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【質の高い議論のために人と事とを分ける】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
質の高い議論をするために必要な要素がいくつかあります。
事実と意見とを分けることも、その1つです。


前回のブログで、事実と意見や評価、判断とを分けることが重要だと書きました。
もう1つ重要なことは、人と事とを分けることです。
このことは、特に2つの場面で重要になります。
1つ目は、現状把握から原因究明のプロセス、2つ目は解決策を決定するプロセスです。
現状把握から原因究明では、事実を集め、分析することが重要です。
しかし、これは簡単ではありません。
前回のブログにも書いた通り、自分に責任が降りかからないようにしたり、誰か他の人の責任であることを印象付けようとする意図が入るからです。
もしそれを避けたとしても、他の要素があります。
同じ出来事でも、関わっている人によって判断にフィルターがかかります。
例えば同じミスがあったとします。
それを、優秀だと評判の社員がした場合と、普段からミスが多く、問題があると思われている社員がした場合に同じように扱われるでしょうか?
管理職など権限を持っている人と、新入社員とが同じように扱われるでしょうか?
人は何らかのレッテルを貼ってしまいがちです。
事実は同じでも、関わった人によって、扱われ方が変わることが多くあります。
もう1つの解決策を決定する場面では、より注意が必要です。
どの解決策を採用するかを決める場合、まず解決策自体を純粋に比較検討しなくてはなりません。
ところが多くの場合、候補に挙がっている解決策が誰の発案なのか、誰が支持しているかが、結論に影響します。上司や優秀と言われている社員など影響力の強い人の意見は高く評価されやすいです。
そして、若手社員や、評価の高くない社員の意見は低く評価されやすいです。
以上のように、多くの事を重視しなくてはならない場面で、人が大きな影響を与えることは少なくありません。
論理的に議論する上で、人と事とを分けて考えるのは重要ですが、簡単ではありません。
しかし、それが出来るのも現場力の高い現場の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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