オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
先日、新聞で町工場の集まる街の盛衰についての記事を読みました。中小企業ならではの悲哀を感じました。
町工場の多くは、大手企業の下請けをしています。自社商品を持っていません。今も実態は変わりませんが、注文をくれる会社の力は強いです。
一時、大手企業の多くが下請け企業の系列化を強化した時期がありました。元々一定の系列化はされていました。さらに大手企業は製造と仕入れの効率化のために系列化を強化しました。言い方を変えると、下請け企業に自社の下請けだけをするように強要したのです。自社の下請けだけをすれば、優先的に発注する、逆に言えば、他社からの注文を受ければ発注は後回しにするとういう一種の脅しです。それに従った町工場は多かったようです。
しかし、時代が変われば、商品の仕様も変わり、下請け企業に発注していた部品などの仕様も変わります。新しい仕様に対応出来るように支援もしてくれますが、対応出来なければ発注はなくなります。中国などから安く調達出来るようになれば、値下げを要求されます。そして、系列に入ったにもかかわらず、苦しい経営を続けなくてはならない町工場が増えていったようです。
大手企業も生き残りに必死です。下請け企業を守る気持ちがないわけではないでしょう。それでも共倒れになるわけにはいかないので、自社が生き残るのに精一杯の状況になれば、下請け企業を切らなくてはなりません。ビジネスの厳しい現実です。
では、下請け企業はどうしたら良かったのでしょうか?
経営戦略を考える上で行う評価の一つに、ABC分析があります。ABC分析では、まず最初に全体に占める構成比を多い順にAクラス、Bクラス、Cクラスの3グループに分割します。
例えば今回の場合は、受注先でABC分析を行うと、Aクラス、しかも一社しかいないことになるでしょう。このように偏っていると、その一社からの受注がなくなればビジネスは成り立たなくなります。一社は極端にしても、極端に少数に偏るのはリスクが高いです。
先の町工場は、理想から言えば、系列に入らない方が良かったでしょう。複数の会社から注文を受けられるように、独自の技術を持ち、下請けだけでなく自社商品も持ち、直接販売出来ることを目指すことが望ましかったのです。
もちろん、これは理想です。言うのは簡単です。それでも会社を存続させるためには、長期の視点では、一社の系列に入る以外の道を探る方が良かったのです。
これは受注先だけでなく、仕入れ先、売り先、商品などにも共通して言えることです。ABC分析を行い、構成比の多少に合わせて優先順位を付け、対応を変えることを検討することが必要です。同時に、将来のために構成比のバランスを見直し、必要な対応をすることが大切です。
このように、今だけでなく将来のことも考え、決断し、実行するのは経営者にしか出来ない、経営者が担わなくてはならない役割です。
本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。
応援しています!
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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