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ハラスメント対策は機能していますか?

電車の中で険悪なムードの二人

オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。

会社にはハラスメント対応が求められています。しかし、現実的に効果を上げているとは言えません。

先日、女性自衛官に対するセクハラ問題がニュースになりました。セクハラ自体も問題なのですが、上司に相談しても十分な対応がなされず、実際には何も変わらなかったようです。組織として対応が不十分だったと言えます。

ハラスメントが問題になってから久しいです。セクハラ、パワハラから始まり、今は多くの種類のハラスメントが問題になっているようです。職場でのハラスメントに対しては会社として対策を行わなくてはなりません。そこで、大きな会社の多くでは、管理職だけでなく社員に対して研修を行い、ハラスメント相談窓口を設置しています。

では、企業のハラスメント対策は機能しているのでしょうか?

ハラスメント対策の目的は、ハラスメントをなくすことです。そのためには、まず知識と理解が必要です。ハラスメントとは何か?どのような行為がハラスメントに当たるのか?などを教えることが前提となります。そしてもちろん、実際にハラスメント被害に遭っている人を救済しなくてはなりません。

しかし、ニュースになった自衛隊に限らず、実際に起こっているハラスメント問題の解決は出来ていないケースが多いようです。両者から聞き取りは行われるようですが、その後は、被害を訴えている側にとって不満が残るケースが多いようです。ハラスメントを行った側に注意をして終わりということが多いことが原因のようです。注意はされても、それ以上の処罰、例えば降格されるケースはほとんどないようです。どちらかが異動になることも多いようですが、訴えられた側が異動しても、ほぼ同じポジションになっているようです。

原因は、いくつも考えられます。被害を訴えられた側は、多くの場合、それなりの地位にあります。社内で影響力もあるので、処分を決める側に遠慮する気持ちが働くかもしれません。ストレートに言うと、今後の自分のキャリアへの影響を考えて手加減するかもしれません。

もう一つハラスメントには、根底にある問題があります。それは、被害にあった側がハラスメントだと感じればハラスメントであるという基準です。同じことをされてもハラスメントと感じる人もいれば、感じない人もいます。ある人からされるとハラスメントだと感じることが、他の人から同じことをされてもハラスメントだとは感じないこともあります。処罰を行うには、公平でなくてはなりません。そのためには、明確な基準が必要なのですが、ハラスメントの場合は、本人の主観が基準となるので、厳しい処分をするのを躊躇してしまうこともあるでしょう。いずれにしても、被害を訴えた人は、処分が不十分だと感じるでしょう。

また、私の知っているケースでは、ハラスメント相談窓口の管理職から、ハラスメントには当たらないから、届けを取り下げるように説得された人もいました。被害を訴えた人は、問題の隠蔽でないかと思ったそうです。しかもそれはセクハラのケースで、説得してきた管理職も女性だったそうです。愕然とし、会社に訴えても無駄だと思ったそうです。

現実問題として、ハラスメント被害に対して、適切に対応するのは難しいです。部下や後輩への指導の叱咤激励の叱咤も厳しいと感じればハラスメント、激励もストレスを感じて負担だと感じればハラスメントになる可能性があります。人間関係作りのために個人的なことを話題にしてもパワハラやセクハラになる可能性があります。

それでもハラスメントは、職場の人間関係に悪い影響を与え、業務にも支障が出てきます。明確なハラスメントでは厳正に処分する必要があるでしょう。ハラスメントだと感じている従業員がいれば、しっかりと話を聞き、寄り添うことが大切です。そして、会社は分かってくれていると感じてもらわなくてなりません。ハラスメントによって苦しんでいるのですから。

ハラスメント対策は研修を行ったり、相談室を作るなど形式的なものを揃えることだけでは不十分です。誰もが気持ち良く働ける職場環境を整えるために必要なことだからです。必要ならば相手に関係なく厳正に処分を行わなければなりません。被害を受けた従業員の心のケアを心がけなくてはなりません。当然、それを推進出来るのは経営者です。

本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。

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