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違いと間違いとを区別する

仲間に相談している男性

違いと間違いとは、一文字あるかどうかの違いしかありませんが、意味は全く違います。そして、この二つを区別することは意外と難しいものです。しかし、リアリティを重視して物事を見るには大切です。

目次

誰でも自分が正しいと思っている

仕事に限らず、日常的に人は会話の中で情報や意見を交換しています。意見の中には、アイデア、判断、解釈、評価などが含まれます。人から意見を聞いた時、間違っていると思うことがあると思います。

間違っているは、言い換えると正しくないという意味です。人の意見を間違っていると思うには、

  • 私は正しいことを知っている
  • 私は正しいかどうか判断出来る

という前提があります。つまり、私は正しいと思っているのです。

では相手はどうなのでしょうか?相手も自分が伝えた意見は正しいと思っているから伝えたのでしょう。相手も自分が正しいと思っているのです。

このように、人は誰でも、自分は正しいと思っているのです。

人によって考え方や捉え方は違うもの

意見が違う場合、どちらかが正しく、どちらかが間違っているのでしょうか?

もちろん、その場合もあるでしょう。しかし、意見は複数あるものです。

意見には、さまざまな要因が反映されます。

  • 情報
  • 知識
  • 経験
  • 判断基準
  • 価値観
  • 優先順位

などによって意見は作られます。これらが全て同じ人はいません。

同じ物を見ても捉え方も、持つ印象も違います。同じ事実に対しても、見方や受け取り方が違います。さらに価値観が違えば判断基準や優先順位が違い、意見も違うものになります。

唯一の正しい意見もありません。全員が同じ考えを持つことも現実的ではありません。人によって意見が違うのは当然なのです。

人の考えを間違いと判断すると起こる問題

自分と違う意見を持っている人の話を聞いた時、間違っていると判断すると、何が起きるでしょうか?

間違っていることを正そうと反論し、議論になるかもしれません。どちらかが議論に勝ったとしても、後味は悪いでしょう。どちらも譲らなければ、話の通じない人だとレッテルを貼るでしょう。

この人は分かっていない、極端な言い方をすると、この人はバカだ、とレッテルを貼ってしまうこともあるでしょう。このようなレッテルを貼ってしまうと、その後、その人の話を真剣に聞かなくなるでしょう。そして、話をきちんと聞いてくれないことは相手に伝わります。その結果、相手も話す気がなくなるでしょう。

違う意見を間違っていると反射的に判断してしまうと、その人と良い関係を築くことが難しくなるのです。

間違っていると思ったら違いかもしれないと考えてみる

上にも書きましたが、意見の違いには理由があります。持っている情報や知識が違うかもしれません。それを共有することで、自分の知らないことを知ることが出来るかもしれません。

情報や知識が同じでも、その解釈や評価、判断基準が違うかもしれません。自分にはなかった捉え方で物事を見ることが出来るようになるかもしれません。そして、違う現実に気付くことが出来るようになるかもしれません。

相手の判断基準や優先順位を知ることで、相手の価値観を知ることが出来るかもしれません。そのことを通して、相手のことをより深く知ることが出来るかもしれません。

いずれも、自分とは違う意見に対し、反射的に間違っていると判断してしまうと出来ないことです。反射的に判断し、レッテルを貼ってしまうと、視野が広がらず、視点が増えません。自分が正しいと思うことにこだわれば、つまり自分自身が成長する機会を逃すことになります。人が正しいと思うことを理解出来なければ、相手を尊重することも出来ず、良い関係を築くことも出来ないでしょう。そして多様性も活かせないでしょう。

意見は、さまざまな要因が影響して出来上がっているものです。間違っていると感じる意見に出会った時、それを意見の違いだと考えるようにすることが大切です。そして違う意見となった理由を知ろうと試みて下さい。その積み重ねが、視野を広げると共に、人との関係を築く力をつけてくれます。

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