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お客様の要望には応える?

戦略のピラミッド

2021/05/07 情報を更新いたしました。

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。

お客様の声を聞き、要望を知ることは大切です。
ところで、知ることの出来た要望に応えることは必要なのでしょうか?

ビジネスは提供している商品やサービスを買ってくれるお客様がいるから成り立つものです。
お客様が買うのは、それだけの価値があるからです。

さらに、お客様が何を買うのか、どこから買うのかを、商品やサービスの価値だけ決めるわけではありません。
例えば営業時間、売っている場所、販売員の対応なども含めて、総合的に判断して決めます。
これら全てが、お客様に買っていただくために、会社として考慮しなくてはならない要素です。
そのためにしなくてはならないのは、お客様が判断に使う要素について、お客様の要望を知ることです。

ところが、お客様の要望はさまざまです。
全く逆の要望もあるでしょう。
その全てに応えることは不可能です。
そこで、応える要望と応えない要望を選ばなくてはなりません。

当然ですが、真逆の要望がある場合、片方に応えれば、もう片方には応えないことになります。
応えないと決めた要望を持つ人は、お客様にはならないでしょう。
つまり、要望を選ぶということは、お客様を選ぶことにもなるのです。

全ての人をお客様にすることは出来ません。
お客様を選んで良いと考えています。
ある要望に応えないために、買ってくれない人が出ることは仕方がありません。

ここで大切なのは、お客様に選択権があることを受け入れることです。

自社の選択を、受け入れてもらうことを求めるのは非現実的です。
自社の選択を受け入れない人を責めてはいけません。
人それぞれ好みも違えば、選択基準も違います。
自社に満足してくれる人もいれば、不満を感じる人もいます。
気になるかもしれませんが、仕方がないことです。

ただし、気を付けなくてはならないことがあります。
違う要望を持つ人の要望を変えようとしないことです。
それは可能性が低いですし、取り組むには多大な労力が必要となります。

そこで必要なのは、自社が応えると選んだ要望を重視する人のボリュームが十分にあることです。
そして、その人たちに商品やサービスの存在を知らせ、同じ要望を持つ人の中で一定のシェアが取れることです。
これが出来なければ、ビジネスが成り立ちません。

お客様の声を聞いても、全ての要望に応えることは出来ません。
どの要望に応えるかは、会社の考えや思いを優先して決めて良いことです。
ただし、その要望を持つお客様がいることの方が優先順位は高くないとビジネスが成り立ちません。
このことを理解した上で、お客様の要望を聞き、取捨選択を行っているのも、現場力の強い経営者の特長の1つです。

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