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『現場力視点のビジネス事典』の主旨と思い

ビジネス事典の概要

この事典を書こうと思った元には、私の失敗経験があります。理論や知識を学び、情報を集め、意気揚々とコンサルティングを始めても、うまくいかないことだらけでした。
理論や知識は意味がないのか?どうしたら成果が出せるコンサルティングが出来るのか?
このようなことを考えて、試行錯誤を始め、今も続けています。
ここでは、この事典をまとめようと決めるに至った思いを書き綴りました。私の失敗談ですが、読んでみて下さい。

目次

使えなかった経営の知識

経営のアドバイスをするのがコンサルタントです。自分の勝手な思いやアイデアでコンサルティングをするのは良くありません。そこでコンサルタントとして活動する前に、当然ですが、多くのことを勉強し、情報を集めました。経営理論、さまざまなノウハウ、他社の成功事例など、その対象は多岐にわたりました。

しかし、経営理論の多くは経営学の学者がまとめたものです。それらを使うためのノウハウや成功事例も似たようなものです。専門家が書いているので、用語は専門用語ですし、表現も難しいです。時間をかけて調べながら研究して、何とか理解することが出来ました。

ところが、実際にコンサルティングに使おうとすると、気付いたことがあります。

使えないのです。

理論はもっともなのです。それでも目の前のクライアント、中小企業に対して、どのように使えば良いのか分からないのです。

クライアントの反応も同じです。良いことはイメージとして分かってもらえます。使えるとカッコいいと思ってもらえます。しかし、良く分からないのです。自分の会社で使おうとすると、どうして良いか分からないのです。

知っていること、分かっていることと、使えるのとでは違います。使うのは難しいのです。良いことは分かっていても、知識は使えませんでした。

使っても効果がなかった知識

それでも実際の問題や課題への対処の中で、理論やノウハウが使えることがイメージ出来るケースがありました。しかし実際に使うことが出来ても、なかなか成果は出ませんでした。

先に書いた通り、理論は言葉も表現も簡単ではありません。会社で何かに取り組む時、実際に実行するのは現場です。

ところが現場に下ろす時に障害がありました。現場に理解してもらえなかったのです。当然、十分に実行されることもありません。

現場が実行出来なかったと言えば、現場が悪いように聞こえるかもしれませんが、それは違います。現場が実行出来ないのは、現場への下ろし方に問題があるからです。

さらに別の障害が見つかりました。その会社に適応させることが出来ていなかったのです。理論は基本で、実際には応用して使わないといけないのですが、それが出来ていなかったのです。

起こっている問題や、抱えている課題の対処に最適な理論やノウハウが見つかり、経営者も良いと思い、取り入れても、なかなか成果につなげることが出来ませんでした。

現場に入って一緒に考えて分かったこと

理論や知識が現場で使えず、使っても成果が出ないことに悩んでいる時、思い出したことがありました。それは会社勤めをしていた頃、研修で習ったことが、実際には使えなかった経験です。

そこで、以前から実際に実行する現場に近い所にも関わらせていただいていたのですが、どっぷりと現場に入る形にコンサルティングのスタイルを変えました。

現場の社員と一緒になって考え、実行を支援することで分かったことがあります。

その一つ目は、ブレイクダウンの大切さです。適度なサイズに細分化することです。

現状、共通認識、タスクや流れを含む業務の中身、情報や指示の流れなどについて、細分化して把握することで、問題点や導入のポイントが見えやすくなります。

導入する理論や手法も、細分化して説明することで、現場が理解しやすくなりますし、理解しにくい部分も分かり、十分に説明することが出来ます。

もう一つは、カスタマイズすることの大切さです。

成功事例だけでなく多くの理論も、基本となる理論の応用でしかありません。当然そのままでは使えませんし、そのままでは効果が出ません。環境や条件の違いを考慮に入れて、アレンジしなくてはなりません。そして現場の十分な理解の上で試行錯誤することで、その会社ならではのものに作り上げていかなくてはなりません。

ブレイクダウンとカスタマイズ、この二つが理論や他社事例を活かし、成果を出すために大切であることが分かりました。

最終的に分かった重要なこと

現場に入り、現場の社員と一緒に試行錯誤して分かったことがあります。

それは、

  • 基本は重要
  • 本当の基本は普遍的に使える
  • 基本を環境や条件に合わせて応用することが重要

の三つです。

そして応用して自社に合った戦略や手法を見つけるには、

  • 基本を理解すること
  • 自社に合った形にアレンジするノウハウがあること

が必要なことが分かりました。

これら全てが揃っていることが、成果を出す条件です。

戻るべき基本と応用のヒントをまとめたメモ

理論やノウハウはそのままでは使えません。一方、やみくもに取り組んでも、思いつきや好き嫌いで何をするかを決めても成果が出るわけでもありません。

理論の本質的な基本部分は、普遍的で汎用的です。そして、その基本を応用して成果を出すには、これも基本的な手順があります。手順を進める上での注意点やヒントがありました。

現場に入ってコンサルティングをして来た中で、試行錯誤し、今後も使えると思ったものは、自分のためにメモを残してきました。そのメモは元々私自身のコンサルティングのためのものです。しかし、その内容は、経営者だけでなくビジネスパーソンにも参考になるかもしれません。ならば、一度整理してまとめて公開しよう!それが、この事典を書くことに決めたきっかけです。

普遍的で汎用的だからこそ広く使えますが、実際に使いこなせるようになるのは簡単ではないかもしれません。それでも、この事典が、現場力を強化する一助になればうれしいです。

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