組織運営上で、情報は重要です。機能する組織を作るにはさまざまな仕組みが必要ですが、情報を活かす仕組みもその内の一つです。
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情報を活かすために必要な二つの仕組み
会社にとって情報が重要であることは異論がないでしょう。情報と言えば思いつくのが、現場で起こっているこが経営陣に流れる情報でしょう。経営陣は遅延なく正しい情報を入手出来るから、適切な意思決定を行えます。
そして経営陣が行った意思決定に関係する指示や命令が現場に伝わることで会社は動きます。この指示や命令も社内を流れている情報の一部です。また、業務上関連している部門間でも必要な情報が流れていなければなりません。つまり情報は一方通行ではなく、上から下、下から上だけでなく、横にも流れることが必要なのです。
この縦横無尽に組織内を流れる情報を活かすには二つの仕組みが必要です。一つ目は、情報を流す仕組みです。二つ目は、流れた情報を活用する仕組みです。
情報を流す仕組み
社内で情報を活かすために必要なことの一つが情報を流す仕組みです。経営陣から現場まで指示や命令を伝える仕組みを持っていない会社はないでしょう。しかし、それ以外の仕組みを持っていない会社は少なくありません。
例えば、現場にある情報は非常に数が多いです。その全てを上に流すと情報量が多過ぎます。経営陣には膨大な量の情報に目を通し、選別する時間的余裕もありません。結局無視されることになります。
そして実際には現場にある情報は最前線の社員で止まっていることもあります。直接の上司に報告したとしても、そこで止まり、もっと上には伝わらないこともあります。
そこで必要なのは、情報を集めておく仕組みと、流す情報を選別する仕組みです。情報には、今は必要なくても、いつか必要になるかもしれないものも多いです。必要な時のために情報を蓄積しておくことは大切です。そして今必要な情報は上に流さなくてはなりません。それを判断するのは管理職の役割です。例えば一般社員は全ての情報を直接の上司に伝え、その上司は伝えるべきかどうかを判断し、さらに自分の上長に伝えるのです。その判断基準などを規定しておくことが必要です。
また、部門をまたがる情報のほとんどは、業務上の伝達事項に限られています。現場に入る情報の中には、他部門にとって価値のありそうな情報もあります。しかし、それが他部門に伝わるとしても非公式なものが多く、ある意味属人的に処理されます。これでは、会社が組織として情報を流しているとは言えません。組織として他部門に関係する情報を流す仕組みも必要です。
また、情報を流す仕組みに関係して大切なことがあります。全ての情報を流す仕組みを作ると、情報が多すぎて結局読まれません。情報を選別し、何を誰に流すのかを判断して流すことも必要です。
ただし、情報の選別とどこに流すのかの判断は簡単ではありません。情報によっては、流れから外れている部署にとって価値があるかもしれません。他の部署の事例も参考になることも少なくありません。そこで必要なのは、社内で情報を共有出来るようにしておくことです。
情報を活かすには、社内に情報を流さなくてはなりません。そして、情報を流す仕組みにはさまざまな要素が必要なのです。
情報を活用する仕組み
情報を流す仕組みがあるだけでは、情報を活かしているとは言えません。情報は判断や意思決定に活用されて初めて価値が生まれます。情報がいくら流れても、読まれず溜まっているだけでは意味がないのです。
情報は、まず読まれなくてはなりません。その上で情報の内容によって
- 今、対応しなくてはならない情報
- 近々する意思決定や検討に必要な情報
- 保存して保管しておく情報
の三つに選別します。
実際に情報を活用する前には信憑性を確認しなくてはなりません。情報は玉石混交です。正しいものもあれば、嘘の情報もあります。意思決定に使うのですから、正しい情報かどうかを確認しなくてはなりません。
情報の信憑性が確認出来たら、その情報を元に判断し、意思決定を行うことになります。情報は集めることが目的ではありません。多くの情報を知りたいという好奇心を満たすためにあるのでもありません。より適切な方向性を選択出来たり、ビジネスがうまく行ったり、リスクを回避出来たりすることが、情報を活用出来ているかどうかの唯一の判断基準です。
情報は適切に扱わなくては集まり続けず流れ続けない
情報を流す仕組みを作り、会社として活用していれば、素晴らしいことです。にも関わらず、情報が流れる仕組みを構築していない会社も少なくありません。そして、せっかく得た情報を活用せず、埋もれさせている会社も少なくありません。
そして、以前は情報が流れ、活用出来ていても、情報の流れが止まる会社もあります。その原因は、流した情報の扱い方にあります。情報を集めるのも、社内に流すのも時間と手間がかかることです。流した情報が、その後どうなったのかのフィードバックがなければ、かけた時間と手間を無意味に感じます。このような経験が重なると、情報集めることも、入手した情報を流すこともしなくなります。
そこで必要なのは、流した情報がどうなったのかのを、情報を流した本人にフィードバックすることです。どのように判断され、どのように活用されたか、どこに保存されて共有されるようになっているか、などを本人に報告するのです。
情報は玉石混交であっても、集めることに意味があります。人の目に触れることを通して判断されることで価値を見出されます。まず、集め、流さなければ何も始まらないのです。それは仕組みあれば続くものではありません。フィードバックを通して、集めることと流すことの価値を伝え、会社として労うことが重要です。
経営判断にとって情報が重要であることに異論はないと思います。情報を集め、活用する仕組みがあり、情報を活用し続けるのも、機能する組織に必要なことです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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