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論理思考は必要ですが十分ではありません

ジグソーパズルのピース

ロジカルシンキングは大切なスキルの1つです。ところが勘違いされていることも多くあります。論理的に考えた結論は絶対ではありません。もちろん、ビジネスでは論理的に考えることは必要です。しかし十分ではありません。

目次

論理的に考えた結論は1つではありません

論理的に考えるには大きく分けて2つのものが必要です。1つ目は、情報やデータです。2つ目は、判断基準です。
この2つの中の何か1つが違えば、論理的に考えた結果は違うものになります。論理的に考えれば、正しい答えが得られる、と考えるのは間違いです。ロジカルシンキングを学び、身に付ければ、人を説得することが出来ると安易に考えてもいけません。

考えるために必要なデータは集まりません

まず論理的に考えるには、データが必要です。ところが、全てのデータが集まることはありません。そもそも存在しないデータもあるでしょう。存在しても他の誰かが所有していて、手に入らなかったり、使えないデータもあります。
さらにデータの鮮度の問題もあります。今の時代、状況や環境は常に変化しています。データや情報は最新のものが手に入ったとしても、全て過去のものです。今の状況を表したものではありません。
また、論理思考を使うのは、今後のことを考え、決める場面です。将来の状況や環境は、予測するしかありません。過去のデータを分析し、今後の変化を予測します。しかし、実際に決めて実行する頃の状況が予測通りかどうかは分かりません。
つまり、必要なデータが全て揃うことはありませんし、揃ったデータが正確かどうかも分かりません。いくら論理的に考えても、そのようなデータを元に出した結論は正しいとは限りません。

判断基準は千差万別です

もう1つの論理思考の結論を決める要素は判断基準です。絶対的な唯一の正しい判断基準があれば、結論は同じものになります。しかし、判断基準は会社によって違いますし、人によっても違います。
このことは、日々ニュースになっている社会問題を見ても分かります。国会の議論やニュースを見ていると、同じ情報やデータは共通していても、さまざまな違った意見が出て来ます。
まず、同じ情報やデータでも、判断基準が違えば、解釈は違ったものになります。価値観や方向性が違えば、優先順位も違ったものになります。優先順位が違えば、結論も違うものになります。
会社で言えば、会社によって目指しているものが違います。それは全体的な方向性としてミッション、ビジョンに表現されています。また、行動規範や社是などに示されていることが会社の文化を作り、その文化がその会社にとって何が正しいかを決めています。同じ情報やデータを元に論理的に考えても、全ての会社が同じ結論に至ることはありません。

それでも論理思考は重要です

ビジネスの意思決定を実行するためには関係者に、説明し、理解を得なければなりません。関係者には社内外のさまざまな立場の人がいます。そこで必要なのは、論理的に説明することです。
また、必要なデータが集まらない中で意思決定を行う限り、それは仮設でしかありません。実行しながらデータを集め、仮説を検証し、修正する必要があります。いわゆるPDCAサイクルです。そのために必要なのが、結論を出す上で使ったデータと判断基準です。論理的に考えていれば、結論を望む結果が出ない場合、どこが違っていたのかが分かります。そして適切な修正が出来ます。
論理思考を厳密に使えば、正解が得られるわけではありません。論理事項のツールであるフレームワークを埋めても適切な答えは出ません。それでも、論理的に考えることは重要です。

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