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【意思決定で意識すべき物の見え方】

神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
昨今の情勢の中、重大な意思決定をしようと考えている経営者も多いようです。
その際、意識しなくてはならないことがあります。


新型コロナウイルスの自粛要請などで多くの会社が甚大な影響を受けています。
商品やサービス、その提供の仕方、業務の仕組みなどビジネスモデル全体に関わる部分を変えようとしている会社も多いようです。
そして、事業の継続自体をどうするか考えている経営者も少なくないようです。
ビジネスモデル全体を変えるのも、事業継続を断念するのも重大な意思決定です。
重大な意思決定をする場合、さまざまな要因が影響を与えます。
しかも多くのことが一度に頭に浮かび、混乱します。
それは当然のことです。
今のような状況で、頭に浮かぶ要因の中で最も強く影響を与えるのは、厳しい現状です。
とにかく今、何とか乗り越えなくてはなりません。
重要な意思決定によって影響を受けるのは、経営者や会社だけではありません。
社員や取引先やお客様など多くの人に影響を与えることになります。
熟慮する必要があるのです。
しかも現状の厳しさは、現実以上に強く認識される傾向があります。
重要なことを短絡的に決めてしまうのは、決断力があるというよりも、安易と言えます。
そのため、意思決定する際、現状に関わる要素を冷静に捉えるように意識することが大切です。
意識して重要度を下げる方が良いくらいです。
次に強く頭に浮かぶのは、将来への不安です。
いつ新型コロナウイルスが終息するのか分かりません。
終息した後、自社のビジネスが成り立つのかどうか正確には分かりません。
しかし一方、選んだことが、将来の現実を作ります。
例えば自粛要請を無視したり、従業員を解雇したり、全く今までとコンセプトと違う商品やサービスを提供すると、会社の将来どうなるでしょうか?
事業の継続を断念すれば楽になるかもしれませんが、その後従業員や取引先はどうなっていくのでしょうか?
これらの将来への影響はある程度想定出来ます。
不安に囚われがちになりますが、冷静に想定する必要があります。
また、思い切った決断をしようとすると、今までの努力や苦労が頭に浮かびます。
しかし個人的な感傷に囚われ過ぎるのは、適切な決断の邪魔をします。
一方、過去からビジネスとして積み上げてきたことは、どのように今を乗り越え、事業を継続するかを考える上で重要です。
厳しい現状の中、重大な決断をしなくてはならない場合、感情が物の見え方に影響を与えます。
一般的に、現状の厳しさを実際以上に重大に捉えてしまいます。
過去の経験を感傷的に捉えやすくなります。
将来への不安は膨らみます。
バイアスと呼ばれるもので、感情によって多少なりとも事実や現実が歪められます。
緊急事態など厳しい状況の中、重大な決断をする場面で人は冷静になるのは難しいことです。
それは経営者であっても同じです。
それを理解した上で、意識して自分の捉え方を疑い、意思決定を行おうとしているのも現場力の強い経営者の特長の1つです。
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執筆者、長尾洋介のプロフィール

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