神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
ビジネスでは効率は重要です。
しかし、効率的であれば良いのでしょうか?
ビジネスは競争です。
一定の質を維持しながら、早く、安く、商品やサービスを提供する必要があります。
それが競合他社に劣っていれば、お客様から選んでもらえないからです。
そこで重要なのは効率です。
効率は一見業務プロセスの問題に見えますが、それだけではありません。
他の問題でもあります。
原材料や仕掛け品によっては、外部から調達することで、安く入手出来ます。
業務を効率化すれば、人件費などのコストを抑えることが出来ます。
最終的に競争力を高めるには、コストの効率化が必要なのです。
しかし、効率を追及することで失われるものもあります。
その代表的なことが、今話題の新型コロナウイルスの発生によって表面化しました。
製造業では、安く作れる所で作り、高く売れる所で売ることで効率化を追求してきました。
中国企業から素材や仕掛け品を買っていました。
自社工場か中国企業への委託は別にして、中国で組み立てていました。
ところが、中国での生産が停止すると、製品が作れません。
輸送は委託が多いので、在庫があっても、中国の物流が止まると輸入出来ません。
いずれにしても、売る物がなくなるのです。
効率化を実現するには、いくつもの前提条件が揃っている必要があります。
その前提条件のいずれかが満たされなければ、効率は落ちます。
しかも効率の高いシステムにすればするほど、前提条件が満たされなくなった場合の影響は大きくなります。
では、前提条件が崩れても一定以上の効率を維持するために、バックアップ・システムを持つ方が良いのでしょうか?
バックアップ・システムを持つのには人、物などのコストがかかります。
効率的なシステムが正常に動いている限り、無駄です。
そのコストを負担しながら、競合他社と戦えるのでしょうか?
効率的にビジネス・モデルは、競争力を持てる反面、脆弱なものです。
どこまで効率化を目指すのか?
バックアップ・システムを持つのか?
持つとしたら、どの程度持つのか?
今回の新型コロナウイルスの経験を踏まえ、考えなくてはならないテーマです。
簡単に答えの出せるテーマではありません。
しかし、今回のような経験を生かし、方向性と対策を決め、実行することが重要です。
自社に直接影響があったかどうかに限らず、世界や業界の動向を踏まえて、戦略のPDCAを回しているのも現場力の強い経営者の特長の1つです。
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オフィス・ビブラビのサービス
執筆者、長尾洋介のプロフィール
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経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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