神戸を中心に自ら現場と直接関わりながら、現場力強化を支援しているオフィス・ビブラビの長尾です。
経営者は経営全体に対して責任を負う立場です。
そのために必要な情報は経営者に届いているでしょうか?
企業に不祥事があると経営者が謝罪する場面があります。
経営者は企業の活動全てに責任を持たなくてはなりません。
不祥事があれば謝罪するのは当然です。
時々、謝罪の会見の中で、経営者が言う内容で、気になることがあります。
問題が起きていることを知らなかった
という言葉です。
また、問題が起きてすぐに対応した場合ですと、
問題の兆候に気付いていなかった
という言葉です。
これらの言葉は、必ず、経営者としての役割を果たしていないと非難されることになります。
経営者は、
問題が起こらないように事前に対処すること
もし問題が起きれば、すぐに対応すること
を期待されているからです。
もちろん、不祥事が起きれば、経営者としての責任は免れません。
知らなかったというのは、正当な理由にはなりません。
少なくとも外部、特に被害に遭った人たちに対して使うべきではない言葉です。
しかし現実には、経営者が知らなかったということはあり得ると思います。
実際に業務をしている現場では、会社から命じられたことを成し遂げようとします。
その中で、問題になりそうなことがあった場合、現場はどうするでしょうか?
少しでも問題が起こりそうなら、必ず上司に報告するでしょうか?
もし上司が報告を受けたとして、上司は上司の上司や経営者に報告するでしょうか?
問題に発展するかどうかは分からない兆候の全ては報告しないでしょう。
もし問題が起こってしまっても、上に報告せず、現場で何とか解決しようと頑張るでしょう。
これは隠蔽でしょうか?
叱られたり、責任を負わされることを避けるための保身でしょうか?
ただ、真面目なだけかもしれません。
もちろん、企業は公器です。
不祥事によって、不利益を与える範囲も広く、影響も大きいです。
企業としては、問題の兆候には対処しなくてはなりませんし、問題が起これば適切な対応をしなくてはなりません。
その問題の影響の大きさや、対応の難易度によって、経営者が自ら関わるべきものもあるでしょう。
しかし、対応だけでなく、全ての判断を経営者が行うのも現実的ではありません。
現実に不祥事が起こった場合、どこかに問題があったのは間違いありません。
兆候への対処に問題があったのか?
兆候に気付くことが出来なかったのか?
現場で対処出来るという判断が間違っていたのか?
上層部に報告するかどうかの判断が間違っていたのか?
どこかに問題があったから不祥事へと発展してしまったのです。
情報は、仕組みがしっかりとしていれば流れるのではありません。
情報を得た人が、誰に流すべき情報かどうかを的確に判断出来るかどうかが鍵なのです。
情報の流れる仕組みが出来ていると共に、この判断が出来る社員が多いのも、現場力の強い会社の特長の1つです。
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オフィス・ビブラビのサービス
執筆者、長尾洋介のプロフィール
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経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
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