オフィス・ビブラビの長尾です。ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
組織のトップから聞くことの多い、一丸となって、という言葉。これは効果的なのでしょうか?
先日からマイナンバーカードへの健康保険や口座情報の登録間違いが話題になっています。システムの問題ではなく、情報を入力する時の人為的なミスが原因のようです。
人が行う作業がある限り、一定数のミスは起こります。しかし、制度全体への不信感を生む心配があります。そのため、政府も真剣に対応しなくてはならないと考えているようです。国のトップである総理大臣が、政府一丸となって対応します、と発言しています。
今回の場合、具体的に上がっている対応は
- マイナンバーカードと紐づいた情報が正しいかどうか点検
- 入力ミスの原因となる箇所への指導の徹底
です。
ところで、この対応をするのは誰でしょうか?総理大臣は指示を出すだけ、その指示を受けて大臣は官僚に指示し、官僚は関係機関に指示します。指示は下へ下へと降りていき、実際に作業するのは、健康保険組合や市町村の職員、そしてこれらの機関から業務を委託されている業者でしょう。
政府一丸と言っても、総理大臣から官僚までが政府です。指示を出し、指導し、結果報告を求めるなど、実行を徹底するでしょう。しかし、煩雑で膨大な作業をするのは現場であり、政府ではありません。
大臣や官僚に現場の作業に加わり、手伝うことを求めているわけではありません。政府の役割は、方針を決め、命令や指示を出すことです。そして出来ること、すべきことは徹底して実行させることです。
しかし、政府も一緒になってという意味なのでしょうが、一丸となってという言葉を使うと、実際に業務を行う現場の人はどのように思うでしょうか?政府も一緒になってするみたいなかっこうのいいことを言っているだけで、どうせ政府は手伝わず指示するだけだと思い、冷ややかに受け取るでしょう。かっこうのいいことを言うことに反感を感じるかもしれません。
国民に対して意欲や本気度を伝えるために、一丸となってという言葉を使ったのかもしれません。しかし、実際に作業する現場の心情を考えると、指示し徹底するという言葉の方が良かったと考えています。
これは会社でも同じです。全社一丸となってという表現を対外的に使うこともあるでしょう。会社のトップや経営陣が社内に対して使うこともあるでしょう。ところが現場は冷ややかに聞いています。どうせ指示するだけで、大変なことが現場に押し付けるだけ、実際にするのは現場なのに、と。
経営者や経営陣は一緒に頑張ろうという気持ちがあって、一丸となってという言葉を使っているのでしょう。しかし、実際に現場に入って一緒になって作業をしないのならば、使わない方が良いでしょう。
経営者は思いを伝えるために表現に工夫しているものです。しかし、その表現が逆効果になることもあります。それだけ経営者の言葉には影響力があります。従業員のモチベーションなどにも影響を与えます。ですので経営者は、使う言葉や表現方法にも注意が必要なのです。
本当に経営者は大変です。だからこそ私は、頑張っている経営者にエールを送り続けたいと思っています。そして支援したいと思っています。
応援しています!
無料レポート公開中
無料レポートを公開しています。
無料レポートのダウンロードはこちらから
最新のレポートは、「部下を動かすコミュニケーション」(2023年4月発行)です。
無料メールマガジン配信中
最新情報や会員限定の情報などをメールで無料配信しています。
登録などに関する情報はこちらから
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
そんな思いでサービスを提供しています。
長尾洋介プロフィール
提供サービス