リーダーという立場で大切なのは、メンバーを理解することです。
しかし人が人を理解するのは簡単ではありません。
もちろん、リーダーとしてメンバーを見る視点には人によって癖があります。
好意的に見ようとする人もいれば、厳しい目で見ようとする人もいます。
リーダーという役割を果たす上で、どのような視点でメンバーを見ると良いのでしょうか?
目次
人は善なれど怠惰なり
人はレッテルを貼って接すると、そのレッテルに応えるようになると言われています。
性善説、性悪説という言葉があります。性悪説に基づいて、メンバーを元々は悪い人、つまり監視していないと真面目に仕事をしない人という目で見れば、そのレッテルに合うような行動をする傾向が強くなります。
そこで、まずお勧めするのは、性善説に基づいて、メンバーは真面目に仕事に取り組む人、仕事を通して会社に貢献しようとしている人として見ることです。このように見ていることは、リーダーの言動を通してメンバーに伝わります。そして、その思いや期待に応えようとする傾向が強くなります。
しかしメンバーを信じることは良いのですが、管理しないでいては、リーダーとしての役割を果たしていることにはなりません。メンバーを指導し、チームとしての役割を果たすことがリーダーの責務です。そこで、状況を把握するために声をかけ、報告を求めることも必要です。
メンバーのことを人としては信用しても、している仕事は信用しない
この姿勢がリーダーとして適切なのです。
人も組織も機械ではない
リーダーはメンバーに役割を与え、業務を割り振り、実行させる立場にあります。何をしてもらうかを決める上で、メンバーが選択する余地がないことも少なくないでしょう。
中には任せられる役割や業務に不満を感じるメンバーもいるかもしれません。
それでもメンバーの誰かに割り振り、本人に伝えなくてはならないのがリーダーです。
そこでリーダーの中には、メンバーの感情を無視しようとする人がいます。
しかしメンバーも意思も感情もある人間です。命令すれば何の抵抗もなく、実行する機械ではありません。
メンバーが嫌だと感じていても、仕事として押し付けなくてはならないこともあるでしょう。その時は、きちんと本人の感情を受け止めなくてはなりません。
そして、人は変化するには時間が必要です。人は何かを教えたからといって、すぐに出来るものではありません。
ツールを与えたからといって、すぐに使いこなせるわけではありません。
注意したからといって、すぐに完全に変わるわけでもありません。
時間が必要なことを受け入れ、一定の間待たなくてはなりません。
仕事は人がするものです。
リーダーが相対しているのは機械ではなく人です。
協働してチームに与えられた役割を果たす仲間なのです。
人の感情と向き合うのは簡単なことではありません。
変化するまで辛抱強く待つのも簡単でないこともあるでしょう。
それでもリーダーは、どんな時でもメンバーを、人として見、扱わなくてはならないのです。
リーダーが思っている以上にリーダーを気にかけている
リーダーとは時には孤独なものです。
声をかけても他人行儀に応えたり、不愛想な返事をされるなど、メンバーから疎外感を感じることも少なくないでしょう。
何か指示した時に不機嫌な顔をされることもあるでしょう。
指示したことをしていないことに気付くこともあるでしょう。
このようなことがあると、メンバーから疎まれたり、嫌われていると思うリーダーもいます。
表面的にはともかく、メンバーから軽く見られていると思うリーダーもいます。
そのように思うリーダーがいるのもやむを得ません。
しかし、実際にメンバーから話を聞いてみると、リーダーの思い過ごしのことが多いようです。
たまたま忙しい時や集中して作業している最中に声をかけられたために不愛想な顔で返事をしてしまったというメンバーもいます。
指示されたことは覚えていて、する予定にしていたけれど、忙しくて手を着ける前に、しているかどうか確認されたというメンバーもいます。
このような少しの行き違いのことが多いようです。
もちろんメンバーの中には、本当に不快に感じていて、意識して不満を表に出している人もいます。
ところがそのような人でも、リーダーの行動や、自分への評価については気にしているのです。
リーダーという立場は孤独なものなので、メンバーには好意的に接して欲しと思うのは当然です。
しかし、人と人との関係ですので、全員から好かれることは難しいものです。
リーダーとメンバーとは協働する仲間として適切な関係であることが何よりも大切です。
メンバーがそれぞれの役割を果たし、必要最小限であっても報告、連絡、相談をしてくれているのであれば、受け入れる方が良いかもしれません。
ただしリーダーが思っているほど、メンバーはリーダーを軽視していません。
そのことは忘れず、メンバーには敬意を持って接し続けることが大切です。
メンバーを見る視点がメンバーとの関係を左右します
メンバーがリーダーのことをどのように見ているかはさまざまです。
メンバーの声を聞いてみると、リーダーがメンバーを見る視点が関係に影響を与えていることも少なくありません。
リーダーであっても、メンバーがリーダーを見る目を直接変えることが出来ません。
リーダーに出来ることは、リーダーとしての役割を果たす上で適切な視点でメンバーのことを見ることです。
メンバーとの関係をより良くし、維持したいと思っているならば、取り入れることをお勧めします。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
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長尾洋介プロフィール
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