最適な解決策を選び、関係者の納得を得るには大切なことがあります。その中の一つが、事前に基準を決めておくことです。
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基準のないまま選ぶ弊害
解決策を考える場面では、問題の解決など目的は決まっています。どのような結果を目指すのかも決まっているでしょう。しかし、何を選ぶかには基準があるはずです。条件と呼んでも構いません。
まったく基準を示さずに検討されるケースも見受けられます。また、選ぶには基準はあるのですが、その基準が要素を網羅していなかったり、あいまいであることが多いようです。いずれにしても、選択肢の中から基準に従えば選ぶことが出来るほど明確に決めているケースは少ないようです。
基準が明確でない中、どのように選んでいるのでしょうか?はっきりと言われることはなくても、誰かの意向、誰かが良いと言っているものが選ばれます。そして、後付けで理由付けされます。あたかも選んだものが基準に合っているかのように基準が説明されます。つまり、後出しじゃんけん、出来レースなのです。
このように基準を決めないまま選択肢を選んだ場合、会議などに参加したり、意見を上げるなど解決策選びのプロセスに関わった関係者はどう感じるでしょうか?最初から結論ありきで、自分たちの意見が反映されないのならば、決めてから決定事項を下ろして欲しいと思うでしょう。選ばれた解決策よりも他の解決策が良いと考えていた人は納得出来ないでしょう。
いずれにしても、先に基準を決めずに解決策を選べば、関係者から不満が出る可能性が高くなります。
基準を決める要素
解決策を決める上で考慮にいれなくてはならない要素には何があるのでしょうか?実は、かなり多くの要素が関係します。
主なものだけでも以下のものがあります。
- ビジョンやミッションとの整合性
- 実現可能性
- 実行可能性
- 実効可能性
- 使えるリソース(社内または外部からの調達)
- 資金
- 時間
- 労力
- コンピタンス(知識、能力、ノウハウなどのレベル)
- 払える代償
- 許容できるリスク
- リソース確保のための代償(他の部門などへの影響など)
- 代償として受け入れられるデメリット
そして、それぞれの要素について基準を決めることが必要です。
要素ごとの基準以外に決めること
要素ごとに基準を決めれば、選択肢の中から一つを選ぶことが出来ることは稀です。というよりも、全ての基準をクリアしている解決策がないケースがほとんどです。そこで、もう一つ決めておかなくてはならないのが基準の優先順位です。
優先順位は、選ぼうとしている解決策のテーマの重要性によっても変わります。会社の状況によっても変わります。
参考までに、基準の優先順位を考える視点を挙げておきます。
- 会社全体への効果(効率よりも効果)
- 投資価値に見合うか
- 短期と長期の両面
優先順位は絶対的なものでも普遍的なものでもありません。社内外の環境は変化していきます。その時々に考えることが大切です。
基準を事前に決める意味
解決策や対策を決めるために基準を考えることには意味があります。
- より適切な選択をするために考えなくてはならないことを整理出来る
- 基準と優先順位を明らかにすることで社内外の状況を共有出来る
- 広く議論出来る土台が出来る
- 結論に対して関係者の納得が得られやすい
- 論理的に説明されるため実行可能性が高まる
基準を決める作業は大変です。しかし、基準を決めた上で選ぶことのメリットは、それ以上のものがあるのです。
経営者の「こんな会社にしたい」の実現を支援することを目指して、
2011年にオフィス・ビブラビを設立しました。
VIVE LA VIE(ビブラビ)はフランス語で「人生万歳」という意味です。
ビジネスの支援を通して、そこに関わる人たちの人生が充実したものになる一助となりたい。
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長尾洋介プロフィール
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